研究課題/領域番号 |
15033276
|
研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
本橋 健司 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 上席研究員 (90344001)
|
研究分担者 |
鈴木 幸司 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 交流研究員
上平 崇弘 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 交流研究員
|
キーワード | 光触媒 / 二酸化チタン / 屋外暴露試験 / 汚れ / 外装仕上げ / タイル / 塗料 |
研究概要 |
光触媒は多方面で実用化されているが、汚れ防止を目的とした光触媒の建築材料への応用は代表的なものの一つであろう。建築技術者の立場からは、(1)実際条件下で汚れ防止性能がどの程度発現するのか、(2)汚れ防止性能を評価するためにどのような試験方法が適切であるか等を明らかにすることが重要である。 本研究においては光触媒による防汚性効果を検証する目的で、光触媒反応の特色である有機化合物の分解作用と強い親水性作用のうち、親水性作用に着目し、既報で行った屋外暴露試験終了後の試験体を用いて、実際の環境下で発現している水接触角を調べることにより、光触媒を利用した外装仕上材料の防汚性について親水性の観点から検討を行った。 その結果、次の知見を得た。 1)光触媒反応により親水化し、最小の水接触角を発現するまでには所定の時間を要するとともに、発現までの紫外線受光時間は製造所の仕様により差異が見られた。 2)水接触角と暴露試験における明度差との間には暴露期間とともに高い相関関係が認められ、水接触角が約7°以下の範囲においては親水性が高いほど汚れにくい傾向が認められた。 3)水接触角と明度差との間に高い相関関係が認められたことから、水接触角は光触媒処理材料の防汚性を評価する有効な手法の一つであるといえる。 4)本実験で対象とした光触媒処理材料は、製作時初期の段階では疎水性から撥水性の性状を有しているため、親水性の発現に至るまでには、表面の疎水成分等を先に分解する必要があると考えられる。
|