研究課題/領域番号 |
15035220
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研究機関 | 特殊法人日本原子力研究所 |
研究代表者 |
横山 啓一 特殊法人日本原子力研究所, 光量子科学研究センター, 副主任研究員 (60354990)
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研究分担者 |
山川 考一 特殊法人日本原子力研究所, 光量子科学研究センター, 副主任研究員 (40360408)
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キーワード | 中赤外フェムト秒パルス / 差周波混合 / 非同軸位相整合 / 量子制御 / 選択励起 / 最適制御 |
研究概要 |
1.中赤外極短パルス光源の開発 中赤外フェムト秒パルスの光源開発では、量子制御実験に望まれるコヒーレントかつ広帯域な中赤外光源の開発にむけて、2波長化チタンサファイアレーザーパルスの差周波混合を試みた。波長変換用の非線型光学結晶としてAgGaS_2を用い、広い帯域幅の中赤外光発生をめざして2波長非同軸入射による差周波混合を試みた。結果として中心波長10μm、半値全幅200cm^<-1>以上の広帯域中赤外光を得た。中心波数で割った相対的な帯域幅は20%を越えており、分子振動の励起に用いた場合、高振動励起状態にアクセスするために充分な帯域を確保できたと思われる。 2.波形整形による量子制御基礎実験 波形整形技術の開発と応用をめざした研究では、波形整形による選択的励起のデモンストレーションとしてセシウム原子の^7D_<3/2>及び^7D_<5/2>状態を選択する2光子励起確率の制御を試みた。パルス幅86fs、パルスエネルギー〜1nJの単一パルスを光変調器により位相相関パルス対に整形し、その位相差及び遅延時間を掃引して一方の遷移のみ励起確率がほぼゼロになるような条件があることを確認した。選択比のコントラストは、300fs程度の遅延時間でも10^3以上になることを見いだした。単一パルスの帯域幅が380cm^<-1>、スピン軌道分裂幅が21cm^<-1>であることを考えると、1パルスあたりの励起確率が充分小さい条件下では、不確定性限界以内の時間でも高選択的に光反応を起こせることを示した。また、任意のリニアチャープパルス対を対象として、パラメータを絞り込んだ最適制御実験を行い、ほぼ同じ選択比を示す同じメカニズム由来と思われるパルス波形に到達した。
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