トランス-(トリフェニルゲルミル)白金錯体を高圧水銀ランプで光照射するとトランス/シスの混合物を1:1で生じる。シス体は混合物をカラムクロマトで分離し、ヘキサン/塩化メチレンから再結晶することにより白色固体として得られた。化合物の同定はNMRスペクトルとx-線結晶構造解析により行った。シス-(トリフェニルゲルミル)白金錯体は室温で徐々にトランス体に異性化する。温度を変化させ、シス体→トランス体への異性化活性化パラメーターを求めた。ホスフィンを添加することにより異性化の中間体には5配位状態が存在することが明確になった。トランス体を塩化メチレン中で長波長の光を照射するとほぼトランス体を生じる。光によるトランス体→シス体への異性化を時間分割ケイ光スペクトルで検討した。得られたケイ光スペクトルはS_2状態からのものであり、異性化の直接的な情報は得られなかった。現在遷移状態を計算機化学で検討中である。トランス-(トリフェニルゲルミル)白金錯体を高温で加熱するとテトラフェニルゲルマンが生成する。トランス-(トリフェニルゲルミル)白金錯体を注意深く温度を下げて加熱すると、トランス-フェニル(トリフェニルゲルミル)白金錯体をまず生成し、続いてトランス-フェニル(トリフェニルゲルミル)白金錯体が生成する。トランス-(トリフェニルゲルミル)白金錯体からトランス-フェニル(トリフェニルゲルミル>白金錯体を、トランス-フェニル(トリフェニルゲルミル)白金錯体からトランス-フェニル(トリフェニルゲルミル)白金錯体を生じるそれぞれの中間体には白金-ゲルミレン錯体が生成しているものと思われるが単離にはまだ成功していない。現在検討中である。
|