「ぎんが」衛星により行われた銀河円盤領域のサーベイ観測において、銀河バルジ方向に発見された超軟X線スペクトルを持つトランジェント天体について、再解析を行った。以前の解析以後、衛星の姿勢データが改訂されたので、姿勢データの最終版を用いてX線天体の位置を再決定した。この結果より、「ぎんが」衛星による発見の後、Mir-KvantとROSAT衛星によって検出された天体と位置が一致し、これらが同一天体であると結論した。また、X線スペクトルの解析とX線強度の長期変動の調査を行い、この天体のX線スペクトルはハイステート時のブラックホール候補天体に見られる特徴とよく一致すること、長期変動の様子はブラックホール候補天体に見られるものと矛盾しないことがわかった。 ブラックホール連星候補天体4U1630-472について、「あすか」衛星、および「ぎんが」衛星の観測データを集めて解析を行い、X線強度の異なる時期のX線スペクトルを調べた。その結果、いずれも降着円盤からの放射が卓越した軟らかいX線スペクトルとべき型関数で表される硬いスペクトルの足し合わせとして説明できることがわかった。 銀河面サーベイ観測では、多数のX線天体が検出されている。この中にはこのサーベイ観測で初めて発見されたものも含まれている。これらのX線天体の中に、ブラックホール連星系と類似の性質を持つ天体が含まれていないかを調べた。
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