研究課題/領域番号 |
15037208
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
北本 俊二 立教大学, 理学部, 教授 (70177872)
|
研究分担者 |
幸村 孝由 工学院大学, 共通課程, 専任講師 (20365505)
山本 則正 立教大学, 理学部, 研究員 (40350326)
|
キーワード | ブラックホール / X線 / 電子散乱 / 多層膜 / 補償光学 / 降着円盤 / 撮像 |
研究概要 |
GRS1915+105は超高速ジェットが観測されているブラックホール候補星である。X線のエネルギースペクトルを説明するためにいろいろなモデルが提唱されている。我々はX線強度と時間変動、特に違ったエネルギーのX線の時間変動の前後関係(Time Lag)を調べることで、このX線源のある特定の時期のデータではあるが、X線の放射機構についてエネルギースペクトルと時間変動の両方を矛盾なく説明できるモデルを提唱した。それは、ブラックホールの近傍で放射されるべき型のエネルギースペクトルを持つ放射をまわりの低温電子ガスが散乱をするというモデルである。そのモデルに従って、シミュレーションのコードを開発し、シミュレーションにより、観測されるX線のエネルギースペクトルと、時間変動の両方を矛盾なく説明できることを示した。現在論文にまとめようとしている。 もうひとつの研究は超高角度分解能を持つX線望遠鏡の開発である。これにより、将来ブラックホールの近傍を直接撮像観測したいという夢に近づこうとしている。またこれは、最新のナノテクノロジーを駆使した可変形状鏡と波面センサーを用いた補償光学をX線で実現しようとする挑戦的な研究である。本補助金以外の資金もつぎ込み、現在X線望遠鏡の要素技術を確認検証しつつあり、次には真空にてX線を照射する実験を始めようとしている。本補助金は、主として真空実験のための、真空チェンバーの製作に用いた。焦点距離2mの主鏡を使うため、長さ4.5mの鏡筒としての真空容器を作成した。現在は真空鏡筒内での可視光での閉ループ制御を目指している。
|