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2004 年度 実績報告書

部分溶融物質の固体液体転移に関する実験的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15038206
研究機関東京大学

研究代表者

武井 康子  東京大学, 地震研究所, 助教授 (30323653)

キーワード部分溶融物質 / 変形 / 内部構造 / 界面張力 / 粒界 / コンティギュイティ
研究概要

差応力や変形が部分溶融物質の内部構造に与える影響を実験的に調べるため、アナログ物質(有機物結晶+メルト)を用いた変形実験を行った。大容量(70mm角)のフナログ部分溶融試料を一様なせん断応力下で変形し、変形中の試料の内部構造を横波二成分の超音波でその場観察した。同じ試料をせん断応力の向きを変えて繰り返し変形した。その結果、構造変化に蓄積が生じ、顕微鏡下で観察できる大きさの構造変化を得ることができた。また、この構造変化に伴う試料の力学物性(弾性、非弾性、粘性)の変化を、定量的に測定することができた。差応力(又は変形)による内部構造変化は、(1)粒界のぬれの促進、(2)粒成長の促進、(3)大きなスケールのシート状メルト構造の発達、(4)メルトフラクションの均質化の促進、の4つにまとめることができる。粒界ぬれと粒成長については、固体粒子の粒径とコンティギュイティ(各固体粒子の表面積のうち周囲の固体粒子と接触している割合)を測定することにより、定量的なデータを得た。これらの構造変化に伴う力学物性の変化は、(1)横波速度の大幅な低下、(2)過度的クリープ速度の大幅な増大、(3)定常クリープ速度のわずかな低下(又は、不変)、にまとめることができる。横波速度の大幅な低下は、変形に伴うコンティギュイティの低下によりほぼ定量的に説明ができることがわかった。定常クリープ速度の不変性は、コンティギュイティの低下と粒径の増大という相反する二つの効果の競合により説明できることが分かった。本研究で観察された構造変化は、部分溶融ペリドタイトについて報告された「dynamic wetting」と呼ばれる現象と多くの共通点があることが分かった。以上の成果に加えて、固液界面張力を扱うための理論的枠組みを作り、論文公表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Temperature and compositional dependence of solid-liquid interfacial energy : application of the Cahn-Hilliard theory2005

    • 著者名/発表者名
      I.Shimizu, Y.Takei
    • 雑誌名

      Physica B (印刷中)

  • [雑誌論文] Thermodynamics of interfacial energy in binary metallic systems : Influence of adsorption on dihedral angles2005

    • 著者名/発表者名
      I.Shimizu, Y.Takei
    • 雑誌名

      Acta Materialia 53

      ページ: 811-821

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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