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2003 年度 実績報告書

造血幹細胞の増殖・未分化維持機構における癌抑制遺伝子PTENの役割

研究課題

研究課題/領域番号 15039203
研究機関秋田大学

研究代表者

鈴木 聡  秋田大学, 医学部, 教授 (10311565)

キーワードPTEN / 血管内皮細胞 / 血液幹細胞 / 未分化性
研究概要

種々の成長因子からの刺激はPI3Kを活性化し、PI3KはPIP2をPIP3に変換することによって下流のAktを活性化し、細胞増殖、アポトーシス抵抗性に働く。癌抑制遺伝子PTENはPIP3をその主な基質とし、この経路を負に制御する。これまでにPTENの下流ではβ-cateninやp21などの分子の発現が変化することが報告されており、これら分子は未分化性に関与することが知られている。
PTEN欠損マウスは胎生早期に致死となることから、我々はPTENfloxマウスを作成し、種々の臓器でPTENを欠損させた。神経細胞でPTENを欠損させると、神経幹細胞の未分化性が維持されることが報告されており、また我々は生殖細胞でPTENを欠損させたところ、未分化な細胞のマーカーを持つ細胞が増加すること、始原生殖細胞からのEG細胞の形成率が著しく高いことから、PTENの欠損はやはり生殖細胞においても未分化性を維持させていることを報告した。
今回我々はヘマンギブラストレベルでPTENを欠損させて、造血幹細胞、血管内皮細胞におけるPTENの機能を解析することを目的に実験を行った。
Tie2Creを用いてPTEN欠損マウスを作製したところ、マウスは未分化(VEGFR+,CD31-)な原始血管叢のみの血管で血管腔は拡大し、血管のリモデリングが傷害されて中小のサイズの血管は認められなかった。また心筋は菲薄化し、血管には壁細胞の集積は認められず、脆弱で、胎生11日までに全例出血によって死亡した(投稿準備中)。これらマウスはコンディショナルに欠損させてもやはり胎生早期に死亡したため、血液幹細胞におけるPTENの役割の解析は困難であった。そこで、MX1Creを用いて検討することにし、現在交配を開始している。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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