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2004 年度 実績報告書

霊長類ES細胞維持因子の同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15039207
研究機関東京大学

研究代表者

北村 俊雄  東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)

研究分担者 西中村 隆一  熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
キーワードES細胞 / 自己複製 / Wnt3a / 霊長類ES細胞 / カニクイザル / 胎児線維芽細胞
研究概要

マウスES細胞はサイトカインLIFによってその全能性が維持される。一方、サルやヒトなど霊長類のES細胞はLIFには反応せず、マウス胎児線維芽細胞(MEF)の抽出物によってその全能性が維持される。我々はMEF由来の分子で霊長類ES細胞の全能性維持を可能にする分子を同定するためにMEF由来のcDNAライブラリーを作製して、カニクイザル由来ES細胞の未熟性を維持する因子の発現クローニング法を試みた。それに加えて候補分子を絞りES細胞維持活性を有する分子を捜す実験も並行して行った。
COS7細胞による発現クローニング法でES細胞の未熟性維持を指標にMEFのライブラリーをスクリーニングしたが単独でES細胞を維持できる因子を同定することはできなかった。一方、検索した候補分子のうちWnt3aにES細胞の維持を支持する活性があることが判明した。しかしながらWnt3a単独では長期間未熟性を維持することは不可能であった。また、マウスES細胞もある程度Wnt3aにより維持されることが判明したが、Wnt3a単独で維持した場合、ALP陽性など未熟性の指標となるマーカーはある程度保たれても、マウスを作る能力は急速に失われた。また、Wnt3aの精製度が上がると逆にES細胞維持能を失う傾向にあった。このことは、Wnt3aによるES細胞維持活性には何らかのco-factorの存在が必要であることを示している。以上の結果はES細胞の未熟性維持にはマウスにおいても霊長類のES細胞においてもMEF由来の複数の分子が必要であることを示している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Two-step model of leukemogenesis in multiple lineages by dimerization of MLL fusion protein.2005

    • 著者名/発表者名
      Ono, R.
    • 雑誌名

      J.Chim.Invest. (in press)

  • [雑誌論文] Infertility with defective spermiogenesis in mice lacking AF5q31, the target of chromosomal translocation in human infant leukemia.2005

    • 著者名/発表者名
      Urano, A.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Biol. (in press)

  • [雑誌論文] Vasorin, a novel TGF-β binding protein expressed in vascular smooth muscle cells, modulates the arterial response to injury in vivo.2004

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, Y.
    • 雑誌名

      Pro.Natl.Acad.Sci.USA. 101

      ページ: 10732-10737

  • [雑誌論文] A GTPase activating protein binds STAT3 and is required for IL-6-induced STAT3 activation and differentiation of a leukemic cell line.2004

    • 著者名/発表者名
      Tonozuka, Y.
    • 雑誌名

      Blood 104

      ページ: 3550-3557

  • [雑誌論文] Human placenta-derived cells have mesenchymal stem/progenitor cell potential.2004

    • 著者名/発表者名
      Fukuchi, Y.
    • 雑誌名

      Stem Cell 22

      ページ: 649-658

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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