研究課題/領域番号 |
15039239
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
|
研究分担者 |
三好 淳 大阪府立成人病センター(研究所), 部長(総括研究員) (80166214)
安永 晋一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (50336111)
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (10211799)
|
キーワード | 造血幹細胞 / 自己複製 / ポリコーム遺伝子群 / DNA複製開始制御 / Cdt1 / Geminin |
研究概要 |
造血幹細胞は、10種類以上の成熟血球を産生するとともに、自らが自己複製することによって生涯に渡って枯渇することなく成熟血球を供給し続ける。造血幹細胞を利用した造血幹細胞移植療法は、白血病をはじめとして今までは不治の病と考えられていた疾患に対して驚異的な治療成果を挙げ始めている。しかし、造血幹細胞の需要の増大とは裏腹に少子化等によってHLAの適合したドナーの確保が難しいことも多い。そこで、造血幹細胞をex vivoで増幅する技術の開発が待たれるが、現在のところ造血幹細胞を制御する分子基盤については十分に理解されていない。本研究では、クロマチンの高次構造を制御することによって転写の維持を担っているポリコーム遺伝子群rae28に着目し、遺伝子欠損マウスを作製し解析することによってポリコーム遺伝子群が自己複製する造血幹細胞の活性制御に関っていることをはじめて明らかにした。さらに、rae28を含んだポリコーム遺伝子群複合体がDNAの複製開始制御を担うCdt1の阻害因子Gemininと結合し、細胞増殖制御に関っていることを新たに見つけた。これらの解析結果から造血幹細胞の活性を制御する分子基盤の解明に道が開かれることが期待される。
|