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2003 年度 実績報告書

受精における糖鎖の分子認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 15040212
研究機関名古屋大学

研究代表者

澤田 均  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)

キーワードホヤ / 受精 / 卵黄膜 / 糖鎖 / EGF-like / Notchシグナリング / フコース
研究概要

上記研究課題について、初年度の実験計画を行った結果について報告する。
受精過程においては、精子が卵保護層(卵黄膜または透明帯)に特異的に結合した後、卵黄膜に精子通過口を開けて、精子と卵との細胞膜融合が可能となる。哺乳類の場合、精子細胞膜表面に局在するガラクトース転移酵素などが精子と卵透明帯との一次的結合に関与すると考えられてきた。しかし、このタンパク質のノックアウトマウスを用いた解析では、受精に必須であるという結果は得られておらず、受精における糖鎖の役割については未だに不明な点が多い。海産無脊椎動物においては、受精における卵黄膜タンパク質の糖鎖の重要性が指摘されている。特に、カタユウレイボヤやマボヤでは、精子フコシダーゼが卵黄膜糖タンパク質のフコース残基に結合することが、精子の卵黄膜への結合において重要な役割を担うと考えられている。しかし、その糖鎖構造に関する知見は得られていない。我々は、マボヤの卵黄膜タンパク質HrVC70が卵黄膜上の精子レセプターとして機能し、しかも雌雄同体であるホヤ類の自己非自己識別分子である可能性が高いことを見いだしている。この分子は、12回のEGF様繰返し構造を有しており、Notchシグナリングと同様の分子間相互作用が想像される。Notchの場合、フコース等がEGF部分に結合することが分子間相互作用において必須であることが証明されている。HrVC70においてもフコシル化される部位が5か所存在し、精子-卵相互作用における重要性が考えられる。HrVC70に含まれる糖鎖構造に関しては今まで全く情報はなかったが、本研究により、少なくともそれぞれ1残基のフコースとN-アセチルガラクトサミン、ガラクトースが含まれることが分かってきた。本研究により、HrVC70の詳細な糖鎖構造の解析や受精における役割に関する解析を行う重要性が示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N.Sakai, H.Sawada, H.Yokosawa: "Extracellular ubiquitin system implicated in fertilization of the ascidian, Halocynthia roretzi : Isolation and characterization"Developmental Biology. 264. 299-307 (2003)

  • [文献書誌] H.Sawada, K Nagahiro, Y.Kakukawa, S.Ban, R.Kakefuda, T.Shiomi, H.Yokosawa: "Therapeutic effects of camostat mesilate on Duchenne muscular dystrophy in mdx mice"Biological & Pharmaceutical Bulletin. 26. 1025-1027 (2003)

  • [文献書誌] H.Sawada, Y.Kikukawa, S.Ban, T.Kakudo, H.Yokosawa: "Expression of trypsin-like proteases and protease nexin-1 in mdx mouse muscle"Biochemical & Biophysical Research Communications. 314. 654-658 (2004)

  • [文献書誌] N.Sakai, M.T.Sawada, H.Sawada: "Non-traditional roles of ubiquitin-proteasome system in fertilization and gametogenesis"International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 36. 776-784 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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