研究概要 |
1.Bral1,Bral2タンパクのランビエ絞輪、神経軸索終末発現と軸索輸送の解明:Bral2mRNAとタンパクの発現様式の比較についてはBekku et al.,Mol.Cell.Neurosci.(2003)に発表することができた。さらに、詳しく組織化学的検討をすすめるために、抗Bral2抗体を新たに作製している。良好な血清抗体価をえている。 2.Bral1,Bral2、およびレクティカンプロテオグリカンN-末端のリコンビナントタンパクによる結合能と会合体形成:293EBNA cell,pCEP vectorシステムによる発現を試みた。Bral1は発現収量が悪く、改良を要することがわかった。この研究の成果の一部として、Rauch et al,Matrix Biol.にCrtl1とNeurocanとのIg-moduleを介した結合とヒアルロン酸への結合についてまとめた。CD44などほかのヒアルロン酸結合タンパクとは異なったヒアルロン酸への結合性質が明かとなった。 3.免疫電顕組織化学によるBral1/versican V2,Bral2/Brevican会合体観察:抗Bral1抗体を用い、ランビエ絞輪への局在について免疫電顕を様々な固定、包埋方法を組み合わせて試みたが、抗体の反応性とミエリン等の膜構造両者を満足している条件はみつかっていない。別の抗体の作製などが必要かもしれない。 4.Bral2ノックアウトマウス:ノックアウトコンストラクトを作製した。第3エキソンにNeoカセットを挿入し、Bral2遺伝子のプロモーター活性をIRES-tauLacZで検出できるようにするものである。 5.その他:マウス以外のモデル動物で、リンクプロテイン、レクティカンの複合体とその機能について調べるというアプローチを試みた。そのなかで、zebrafish, dermacanのクローニングと皮骨への特異的発現および皮骨形成への関与の可能性についてMechanisms of Developmentに発表した。
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