研究課題/領域番号 |
15040216
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研究機関 | 香川大学(医学部) |
研究代表者 |
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
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研究分担者 |
東海林 博樹 香川大学, 医学部, 助手 (10263873)
西 望 香川大学, 医学部, 助手 (10145047)
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キーワード | ガレクチン / アフリカツメガエル / 発生 / galectin-3 / CGL / 糖鎖 |
研究概要 |
ガレクチンはβ-ガラクトシド結合を持った糖鎖を特異的に認識する動物レクチンで、哺乳動物で14種の遺伝子が同定されている。ガレクチンファミリーは、その構造から3つのサブグループ(プロト型、キメラ型、タンデムリピート型)に分類されるが、その生体内での機能はほとんど分っていない。また、ガレクチンファミリーは魚類、両生類、鳥類など他の脊椎動物や海綿、線虫、ショウジョウバエなど無脊椎動物にも広く存在している。我々は、ヒトgalectin-8,-9(タンデムリピート型)が、既知のケモカインとは異なる新しい顆粒球の遊走因子であることを見出し、感染・炎症などと密接に関連することを明らかにした。さらに、アフリカツメガエルから12種の新規ツメガエル遺伝子を同定し機能解析を進めている。 本研究では、ガレクチンファミリーの初期発生から、器官形成の場における機能を中心に、ツメガエルガレクチン遺伝子、蛋白質の発現を網羅的に解析しながら、糖鎖の役割を明らかにする。本年度は、12種のツメガエルガレクチン遺伝子、蛋白質の発現、組織内分布を初期胚発生の過程で解析し、ガレクチンが母性因子として既に卵に蓄積しているもの、受精後胞胚後期に出現するもの、神経胚期以降に出現するものの3パターンに分類でき、初期胚発生と密接関連する可能性を見い出した。また、哺乳類キメラ型galectin-3のツメガエルホモログであるxgalectinVIIaの標的候補分子、卵表層顆粒レクチン(CGL)を同定した。さらにCGLをトリプシン消化して、xgalectinVIIaの認識領域を検索したところ、3箇所あるN-結合糖鎖結合部位のうち2箇所がその認識領域であることがわかった。現在認識しているN-結合糖鎖の構造解析を進めているが、多数の分子種の混合物からなっていることや哺乳類では見られないような電荷をもった糖鎖構造を有する可能性が考えられている。
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