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2004 年度 実績報告書

細胞分裂を制御するコンドロイチンの機能調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15040217
研究機関九州大学

研究代表者

野村 一也  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30150395)

キーワードプロテオグリカン / コンドロイチン / 細胞分裂 / 染色体異常 / 線虫 / RNAi / TMP / UV法 / 欠失突然変異
研究概要

私は、プロテオグリカン関連遺伝子の線虫C.elegansの個体発生における機能解析を行う過程で、コンドロイチン合成酵素(ChSy)が初期胚の細胞分裂の進行に必須であることを発見した。RNAiや遺伝子欠失突然変異株tm546を取得しての解析から、コンドロイチンが欠失すると細胞分裂が正常に進行せず、細胞分裂停止や細胞分裂の逆行とみられる現象が生ずることがわかり、プロテオグリカンの糖鎖が胚細胞の細胞分裂に関与していることを世界で初めて明らかにした。この現象は当初、細胞質分裂の異常とされたが、さらに詳細に検討すると染色体分配までが異常になっていることがわかった。
コンドロイチンがどのようにして細胞分裂を制御しているかを明らかにするため、同様の細胞分裂異常をRNAiでひきおこす遺伝子を網羅的に同定し検討した。ChSyのパラログと思われるPAR2.4遺伝子や、ユビキチンリガーゼ遺伝子、N-acetytransferase遺伝子、importin遺伝子などのRNAiで同様の細胞分裂異常を確認した。特にPAR2.4遺伝子は神戸薬科大学の菅原一幸教授らによって同定されたヒトchondroitin polymerizing factorのオーソログであることがわかり、その機能阻害はChSyの阻害と全く同じ分裂異常をひきおこすことを確認した。次にPAT2.4::DsRed融合蛋白質を導入したトランスジェニック線虫とChSy::EGFP融合タンパク質を導入したtransgenic線虫などを作成して蛍光蛋白質を利用した発現解析を行い、これらが細胞レベルでの局在を同じくしていることを発見した。コンドロイチンによる細胞分裂制御の分子メカニズムを解明するため、bioinformaticsと二次元電気泳動法を用いた解析を行い、胚細胞表面に存在する数種のコンドロイチン・コア蛋白質の同定に成功した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (7件)

  • [雑誌論文] Sugar chains in cell adhesion and cell division-Comparative glycomics throwing light on glycobiology2004

    • 著者名/発表者名
      Nomura, K.
    • 雑誌名

      Trends in Glycoscience and glycotechnology 16・88

      ページ: 125-134

  • [雑誌論文] Nematode chondroitin polymerizing factor showing cell/organ-specific expression is indispensable for chondroitin synthesis and embryonic cell division2004

    • 著者名/発表者名
      Izumikawa, T.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279・51

      ページ: 53755-53761

  • [雑誌論文] 糖鎖の機能を線虫C.elegansの神経系で探る2004

    • 著者名/発表者名
      野村一也
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 49・15

      ページ: 2327-2335

  • [雑誌論文] 単一細胞レベルで糖鎖の機能を探る-コンドロイチンプロテオグリカンを例として2004

    • 著者名/発表者名
      野村一也
    • 雑誌名

      実験医学 22・7

      ページ: 921-926

  • [雑誌論文] 線虫の細胞分裂を制御する糖鎖コンドロイチン2004

    • 著者名/発表者名
      水口惣平
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 49・2

      ページ: 141-147

  • [雑誌論文] Recent advances in the structural biology of chondroitin sulfate and dermatan sulfate2003

    • 著者名/発表者名
      Sugahara, K.
    • 雑誌名

      Current Opinion in Structural Biology 13・3

      ページ: 612-620

  • [雑誌論文] Chondroitin proteoglycans are involved in cell division of Caenorhabditis elegans2003

    • 著者名/発表者名
      Mizuguchi, S.
    • 雑誌名

      Nature 423・6938

      ページ: 443-448

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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