研究概要 |
1.細胞外マトリックスと糖鎖による神経筋接合部分子会合体形成モデルの作成 (1)C2C12細胞を分化誘導後、細胞外マトリックスのラミニン1タンパク質,アグリンリコンビナントタンパク質を加え、それぞれの細胞表面での会合凝集体の形成能をAChR(αブンガロトキシンでラベル)を可視化して確認した。ラミニン1とアグリンは独自の時間的経過、形態でAChRを凝集した。 (2)この過程が糖鎖複合体を形成している可能性を考え、いわゆるラフトマーカーであるGM1をコレラトキシンBでラベルしその凝集を可視化したところラミニン1、アグリン添加後早期に観察される小凝集にはAChRとGM1が共局在するが、時間経過のたった大凝集にはGM1が共局在しないことが解った。 (3)ラミニン由来凝集体とアグリン由来凝集体の構成分子に特異性がある可能性を考え、可視化後マイクロダイセクションにて凝集部分を切り出し2次元電気泳動にて比較解析することを計画し準備実験を行った。 (4)ラミニン1Gドメイン由来のペプチドAG73はヘパリンやヘパラン硫酸鎖と結合するため、糖鎖を介して凝集を作る可能性を考え、上記の実験を行ったところ、速やかに小凝集を形成することが解った。 2.神経突起伸長における細胞外マトリックスと糖鎖による分子会合体形成の関与 15年度に筋細胞株で開始した実験と平行してラミニン1,アグリンの神経細胞における細胞外マトリックスと糖鎖の複合体の機能解析を開始した。まず、解析の系を単純化するため、ラミニンペプチドAG73のNGF存在下での神経突起伸長活性に着目して神経系細胞株PC12を用いて実験系を確立した。 2の成果を第44回米国細胞生物学会で発表した。
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