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2003 年度 実績報告書

肝炎マーカーとなり得る血清中の可溶型シアル酸転移酵素

研究課題

研究課題/領域番号 15040224
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

北爪 しのぶ  独立行政法人理化学研究所, 糖鎖機能研究チーム, フロンティア研究員 (80301753)

キーワードシアル酸転移酵素 / ST6Gal I / BACE1 / アミノペプチダーゼ / LEC
研究概要

1.本研究者らは、ラットのシアル酸転移酵素ST6Gal Iは、BACE1プロテアーゼによってLeu37とGln38の間で切断され、その後に膜内腔のアミノペプチダーゼ活性によってN-端の3アミノ酸残基が削られ、細胞外にGlu41から始まる可溶型ST6Gal I(E41型)が分泌される機構を見出した(S.Kitazume.et al.:Characterization of α2,6-sialyltranserase cleavage by Alzheimer's β-secretase (BACEI)J.Biol.Chem.278,14865-14871,2003)。
2.本研究者らの発見である、BACE1によるST6Gal Iの切断現象は、in vitroおよび培養細胞系での実験系で見出したことであった。が、今回BACE1ノックアウトマウスにおける血漿中の可溶型ST6Gal-I量が、野生型の約半分に減少していたことを見出した(2)。このことから、in vivoでも、BACE1はST6Gal Iの切断・分泌に関与していることが明らかになった。古くから炎症時に血清中のST6Gal Iが増加することから、ST6Gal Iは急性期タンパク質であることが知られている。そこで、Cu-transportingATPase遺伝子に異常があるため、肝臓に銅が蓄積することで肝障害の生じる変異ラット(LEC)を用いて、血漿中のST6Gal Iの解析を行うと同時に、肝臓中のST6Gal IおよびBACE1 mRNAを定量した。その結果、LECラットにおいて肝炎発症に先駆けて肝臓に銅が蓄積する時期にBACElmRNAの発現が増加すると共に、ST6Gal Iの分泌量も増加することが分かった(S.Kitazume.et al.:in vivo cleavage of α2,6-sialyltransferase cleavage by Alzheimer's β-secretase (BACE1)J.Biol.Chem.Submitted.)。血清中のST6Gal Iは、より早期段階で肝炎を見出すマーカーになる可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Kitazume: "Characterization of α2,6-sialyltranserase cleavage by Alzheimer's β-secretase (BACE1)"J.Biol.Chem.. 278. 14865-14871 (2003)

  • [文献書誌] S.Kitazume: "Alzheimer's β-secretase (BACE1)is involved in the-cleavage-secretion of α2,6-sialyltransferase"Trends in Glycoscience and Glycotechnology. 15. 129-137 (2003)

  • [文献書誌] S.Kitazume: "Alzheimer's β-secretase cleaves a glycosyltransferase as a physiological substrate"Glycoconjugate J.. 20. 59-62 (2004)

  • [文献書誌] T.Kimura: "KMI-358 and KMI-370, Highly Potent and Small-Sized BACE1 Inhibitors Containing Phenylnorstatine"Bioorganic Medicinal Chemistry Letters. 14. 1527-1531 (2004)

  • [文献書誌] S.Kitazume: "Alzheimer's disease and glycosyltransferase"Annual Report of the Society of Japanese Women Scientists. 4(In press). (2004)

  • [文献書誌] 北爪しのぶ, 西道隆臣, 橋本康弘: "BACE1と糖転移酵素"蛋白質核酸酵素「糖鎖機能:第3の生命鎖」. 48. 984-989 (2003)

  • [文献書誌] 北爪しのぶ, 西道隆臣, 橋本康弘: "βセクレターゼによるシアル酸転移酵素の切断"細胞工学. 22. 636-639 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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