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2004 年度 実績報告書

糖蛋白質を標的とするユビキチンリガーゼの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15040225
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

田井 直  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (70112092)

キーワードユビキチンリガーゼ / 糖鎖結合蛋白質 / 蛋白質の品質管理 / 小胞体関連分解 / 神経変性疾患
研究概要

Fbx2のホモログとして4つの遺伝子(Fbx6b/FBG2,Fbx30/FBG3,FBG4,FBG5)が明らかにされ、ファミリーを形成することが報告された。そこで、平成16年度は、Fbx2とそのホモログを比較解析した。その結果、Fbx6bはFbx2と比べて少し親和力が弱いものの、Fbx2と非常によく似た糖鎖結合特異性を持つことが判明した。しかし、組織における遺伝子発現は全く異なっていた。Fbx2はニューロンと精巣にのみ特異的に検出されたが、Fbx6bはほぼ全ての臓器・組織に認められた。Fbx30はFbx6bと75%の相同性を示し、その組織における発現もユビキタスであったが、糖鎖結合能は確認されなかった。FBG4とFBG5は高い相同性があり、別のサブファミリーを形成すると考えられた。ユビキチン・プロテアソーム系は蛋白質を特異的に分解する機構であり、Fbx2遺伝子欠損マウスの作製は、糖鎖依存的蛋白質分解機構の解析に有効な手段と考えられる。そこで、Fbx2遺伝子欠損マウスを作製し、その解析を行っているが、現在までのところ顕著なフェノタイプは確認されていない。この原因としてユビキチンリガーゼ遺伝子の重複が考えられる。上記知見を考え合わせると、N-結合型糖鎖を認識するユビキチンリガーゼは複数個存在し、その機能は各細胞において異なる可能性が示唆された。アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患において、神経細胞内に異常な蛋白質の凝集体が形成されることが知られている。最近の研究により異常蛋白質の多くはユビキチン化されていることが明らかにされ、神経変性疾患の共通の分子機構として、ユビキチン・プロテアソーム系の破綻がその主な原因の一つと想定されている。今後、糖鎖を認識するユビキチンリガーゼの詳細な機能解析により、これら疾患の病態解明や治療薬剤の開発に進展することが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Synaptic function of cholinergic-specific Chol-1-α ganglioside.2004

    • 著者名/発表者名
      Ando, S.
    • 雑誌名

      Neurochem.Res. 29

      ページ: 857-867

  • [雑誌論文] Galactosylceramide expression factor-1 induces myogenesis in MDCK and C3H10T1/2 cells2004

    • 著者名/発表者名
      Ogura, K.
    • 雑誌名

      Arch.Biochem.Biophys. 426

      ページ: 279-285

  • [雑誌論文] 蛋白質品質管理における糖鎖認識プロセス2004

    • 著者名/発表者名
      田井 直
    • 雑誌名

      生化学 76

      ページ: 234-239

  • [雑誌論文] 糖鎖と神経特異的ユビキチンリガーゼ2004

    • 著者名/発表者名
      田井 直
    • 雑誌名

      蛋白質・核酸・酵素 49

      ページ: 2336-2341

  • [雑誌論文] Production of a recombinant single chain variable fragment antibody against sulfatide.

    • 著者名/発表者名
      Cheng, X.
    • 雑誌名

      J.Biochem. (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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