研究分担者 |
二宮 修治 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30107718)
三辻 利一 大谷女子大学, 文学部, 教授 (40031546)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
石田 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
金原 正明 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10335466)
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研究概要 |
調整班では,専門の研究を調整・総合し,考古学・文献史学など特定研究の他研究グループとの融合も展開して全体目標を達成することを目指しており,14C法・考古地磁気年代法と化学・古環境学研究を併せる年代測定,化学分析による中世陶器の流通解析,古環境解析(災害史も含む),遺跡探査がキーワードである. 総合研究会や共同調査地において研究打合わせを行い,平成16年1月には研究集会(富山)にて各研究成果の報告と全般的問題を議論した.自然科学の複数の分野が共同で行う研究,また考古学や他分野と積極的に関わる研究テーマを探り,重点的に取組む方針を確認した.テーマの一つとして,遺跡や近傍の堆積土を簡易掘削コアとして採取し,古環境の変遷を探る研究がある.堆積物コアの分析は,中世の生活に影響した気候変動や災害史にも関連し,研究の意義は大きい.新潟大学の矢田教授(文献史学)にも指導を受けて,具体的な研究の準備を進めている.また特定領域の重点テーマである,土器や陶磁器の産地流通の研究では多角的な視野が必要なので,自然科学の各種手法を総合する調査分析を実施すること,新たな分析法の開発を日指すことを確認した. 本年度は,モンゴルのオゴダイ宮殿の焼き討ちを磁化測定から求めた研究,古代鉄の14C年代測定の可能性の追求,根来寺周辺遺跡での環境変動の復元,炭化米試料のDNA分析の可能性の検討,中世鎌倉の古人骨と動物依存体から中世の人々の生活誌を復元する研究などにおいて,成果が得られた.
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