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2004 年度 実績報告書

中世日本列島北部-サハリンにおける民族形成過程の解明-市場経済圏拡大の観点から-

研究課題

研究課題/領域番号 15068201
研究機関北海道大学

研究代表者

天野 哲也  北海道大学, 総合博物館, 助教授 (90125279)

研究分担者 増田 隆一  北海道大学, 先端科学技術共同研究センター, 助教授 (80192748)
深澤 百合子  札幌国際大学, 人文社会学部, 教授 (90316282)
右代 啓視  北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸第一課長(研究職) (30213416)
キーワード蝦夷 / 続縄文文化 / オホーツク文化 / 擦文文化 / 土師器文化 / アイヌ文化 / 輸出資源 / 社会的緊張
研究概要

1.今年度はシンポジウム「蝦夷からアイヌへ」を11月13日・14日に実施し、蝦夷[エミシ]という一つの対象を、考古学と文献史学双方の専門家が直接に議論することによって、いくつかの問題について理解を深めた(『予稿集』90頁発行)。
特に東北地方北部の古代続縄文集団(蝦夷)がヤマト勢力・古代律令国家そして中世権力と接触・交流する過程で成長・変容して地方豪族化したことを明らかにできた。
またアイヌ文化が等質なものではなく、地方差をもつこと。その地方差は前時代の続縄文文化、オホーツク文化、擦文文化、土師器文化を基盤にして生み出された歴史的産物であることを確認できた。
2.アイヌ民族の形成に関わるオホーツク集団の役割を解明するために、北海道大学医学部旧所蔵のモヨロ貝塚中心の人骨資料の整備、分析を進めた結果、石鏃を射込まれた人骨の確認などができ,当時の輸出資源をめぐる社会的緊張状況の存在を示唆できた。また、系統関係解明の鍵を握る形態分析・DNA分析にも着手できた。
3.列島北部-サハリン地域における要害遺跡に関する研究の一環として行った稚内市の増幌川下流域に分布する「増幌チャシ」、「増幌川口2号チャシ」の測量調査によって、従来、チャシとされた遺跡がオホーツク文化、あるいは擦文文化期までさかのぼる可能性が強いことを指摘できた。これにより、交易資源をめぐる地域的緊張関係がアイヌ文化期前にさかのぼって生じていた議論を展開する条件を整えられた。
4.ブリテン島北部のブリトン、スコット、ピクトの諸民族とローマの関係に焦点をあてて予備的調査を実施し接触関係を予察した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] ススヤ文化の葬制について2005

    • 著者名/発表者名
      天野哲也
    • 雑誌名

      海と考古学 8(特集号)

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 中世における北方諸民族の形成過程の解明2004

    • 著者名/発表者名
      天野哲也
    • 雑誌名

      歴史読本 49-12

      ページ: 230-233

  • [雑誌論文] 古代DNA分析から見る北方文化の起源と変遷2004

    • 著者名/発表者名
      増田隆一
    • 雑誌名

      歴史読本 49-12

      ページ: 233-235

  • [雑誌論文] Bottleneck effects on the sika deer Cervus nippon population in Hokkaido, revealed by ancient DNA analysis.2004

    • 著者名/発表者名
      Nabata, D., Masuda, R., Takahashi, O., Nagata, J.
    • 雑誌名

      Zoological Science 21

      ページ: 473-481

  • [雑誌論文] 北海道における防御性・環壕集落-北と南からの視点-2004

    • 著者名/発表者名
      右代啓視
    • 雑誌名

      宇田川洋先生甲華記念論集,アイヌ文化の成立

      ページ: 355-372

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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