研究分担者 |
吉原 新 富山大学, 理学部, 助手
清水 正明 富山大学, 理学部, 教授 (50162714)
高橋 浩二 富山大学, 人文学部, 助教授 (10322108)
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
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研究概要 |
1.考古地磁気や熱履歴の研究のため,富山大の磁化測定装置を整備した.モンゴル帝国第2代皇帝オゴダイの春の離宮(西暦1237年建造)の青釉タイルの磁化の研究では,同タイルは宮殿の天井を飾っており150℃の加熱を受けたと判明し,宮殿が焼き打ちを被った可能性が指摘された.沖縄の海底堆積物コアの残留磁化から過去2000年間の地磁気と環境変動が調査可能とわかり,洞窟内堆積物を用いて中世の地磁気・環境変動の研究体制を整えた.遺跡の電磁気探査では各種装置を整備し,地中レーダ探査装置では既設機器に新規導入部を併せ解析方法の改良も行った.県内の城郭遺構の調査で有意な結果が得られ,また富山市宮塚古墳では,中世に構築された道跡を発見した. 2.14C年代法を広範囲の文化財・考古学資料に適用するため測定法と,名古屋大タンデトロン加速器質量分析計の試料処理装置の充実を図った.年輪年代が決められた年輪試料や文献史学の暦年代がある古文書資料を測定し,今後14C年代測定にフィードバックを加えて正確度の高い14C年代測定の確立を目指す準備を整えた.古代鉄では,鉄中炭素が精錬で新しい炭素に完全に置き換えられると判明し,また遺跡鉄遺物の14C年代は考古学年代と一致した.平成16年1月中旬には,韓国Hongik大学のJ.S.Park教授を名古屋大と富山大へ招聘し,日本と韓国での14C年代測定による鉄器編年研究,および考古地磁気的な分野において共同研究を推進する準備を整えた. 古文書・古教典関係資料の歴史年代は14C年代はよく一致した.また遺跡骨資料の年代測定のため、コラーゲンやアミノ酸を高純度に抽出する改良を進めた.中世に噴火した火山では,リスト作成の年代決定を実施した.
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