研究概要 |
15年度は,9月から研究活動を開始し,年度末までの7ヶ月間に,国内出土の中国陶瓷器資料の調査4個所,韓国・公州武寧王陵出土中国陶瓷器調査,景徳鎮窯および湖南省窯跡の調査,香港中文大学・香港大学所蔵資料の調査,沈船引揚げ陶瓷に関する講演会1,奈良三彩陶研究会1を実施した。これらの調査については,研究報告書を公刊する予定である。 (1)熊本市教育委員会調査の神水遺跡,二本木遺跡,細工町遺跡出土資料(2003.9.5-9.7) (2)公州・武寧王陵出土の中国陶瓷器の調査(2003.9.21-9.24):武寧王陵墓出土の陶瓷器のうち,「白瓷碗」を調査し,これが青瓷であることを再確認した。 (3)景徳鎮窯跡調査の予備折衝(2003.10.29-11.6):景徳鎮窯の陶瓷調査を遂行するために関係機関との折衝をおこない,基本的に合意に達した。さらに,鎮窯と高嶺古礦区の2個所について調査を実施した (4)大分市歴史資料館開催の華南三彩陶に関する資料の実測および府内町遺跡出土品調査(2003.11.8-11.12) (5)小値賀町沖の神島神社伝世陶瓷器の調査(2003.11.23-11.27):五島列島の小値賀町歴史資料館が保管している神島神社陶瓷器を実測調査し,華南三彩・磁竈窯青瓷およびタイ陶器などを確認した。 (6)講演会の開催 沈没船「黒石号」引揚げの唐代陶瓷器(2003.12.6)国立台湾大学芸術史研究所 謝明良教授 (7)「中世陶器への前提としての日本鉛釉陶の研究」をテーマとした研究会の開催(2003.12.20-12.21) (8)湖南省出土白瓷器と窯跡の調査(2003.12.24-2004.1.5):湖南省長沙地域出土の白瓷器の窯跡および,湖南省の鹿角,湘陰県鉄角嘴,銅官の各窯跡を踏査した (9)香港大学・香港芸術館・マカオ博物館所蔵の中国陶瓷器の調査(2004.1.17-1.20) (10)兵庫県出土陶瓷-神戸市楠・荒田町遺跡,出石町宮内字堀脇,尼崎市大物遺跡の調査(2004.1.29-1.30) (11)沖縄県久米島オーハ島遺跡の調査(2003.12.22-12.24/2004.3.23-3.26):オーハ島は,久米島の東に隣接し,さらにハテの浜などの砂州が続いているが,この付近に15世紀代の中国陶瓷器が散乱しており,沈没船の可能性があり,16年度からの本格調査の準備をおこなった。
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