研究課題/領域番号 |
15068214
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
五十川 伸矢 京都橘大学, 文化政策学部, 教授 (30127047)
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研究分担者 |
久保 智康 京都国立博物館, 学芸課, 工芸室長 (50234480)
横田 冬彦 京都橘大学, 文学部, 教授 (70166883)
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
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キーワード | 考古学 / 日本史 / 美術史 / 分析科学 / 鋳型 / 鋳物師 / 伝世鏡 / 蛍光X線 |
研究概要 |
シンポジウム「中世日本の鋳物生産-日本列島の西と東-」を、平成18年9月30日(土)に、京都橘大学清香館A201教室で開催し、6名の研究者が、中世日本の鋳物生産について研究発表をおこない、約90名の参加者があった。また、奈良文化財研究所飛鳥資料館との共催で、平成18年9月22日(金)に、共同研究シンポジウムを奈良文化財研究所都城発掘調査部会議室においておこなった。北京大鐘寺古鐘博物館の研究者6名と杉山洋、五十川ほかが出席し、発表と討論をおこない、今後の日中学術交流について協議した。 日本古代と中世の梵鐘について、湯口系と鋳型分割に注目して、その製作技術の違いを五十川が検討した。その結果、古代と中世には製作技術に大きな違いがあり、梵鐘製作の流派の識別もできることを明らかにした。また、中国浙江省内出土で宋〜清の時期の銅鋳物を中心とする金工品の調査を、久保智康が実施した。中世日本や琉球においては、中国・朝鮮・東南アジアからの舶載品や模倣品が少なからずみられ、これらは中世日本で「唐物」あるいは「南蛮物」と呼ばれるが、その位置づけを検討した。また、鹿児島県湧水町勝栗神社所蔵の銅鏡や京都市内から出土した銅銭・銅滴などの蛍光X線分析から内田俊秀は、中世の銅地金生産の変遷について考察した。また、文献史料の立場から、地域別中世梵鐘鋳物師一覧、地域別真継家支配鋳物師一覧などの作成を、横田冬彦がおこなった。 このほか、北京大鐘寺古鐘博物館収蔵鐘の調査を、五十川および吉田晶子(研究協力者・大阪府枚方市文化財研究調査会)がおこない、中国の梵鐘鋳造関連資料の収集をすすめ、江蘇省揚州在住の鋳鐘工人の周健民氏から、中国の梵鐘製作技術の聞き取り調査をおこなった。
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