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2004 年度 実績報告書

墳墓遺跡及び葬送墓制研究からみた中世

研究課題

研究課題/領域番号 15068216
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

狭川 真一  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30321946)

研究分担者 藤沢 典彦  大谷女子大学, 文学部, 教授 (80100030)
桃崎 祐輔  福岡大学, 人文学部, 助教授 (60323218)
佐藤 亜聖  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (40321947)
キーワード中世 / 墳墓 / 葬送墓制 / 考古学
研究概要

中世墳墓の資料集成は、東北、四国、九州・沖縄の各編を編集・刊行し、それに伴う研究会を実施した。その結果、東北地域における特色として、12世紀代の土壙墓は検出事例がないこと。屋敷墓的な遺構は、仙台市王ノ壇遺跡が著名だが事例は少なく、時期も13世紀となること。12世紀末と考えられる青森県山王坊遺跡の事例が最古となるが、蔵骨器による年代決定のため検討が必要であること。横穴式石室を再利用する墓の事例は、12世紀代の蔵骨器を持つものがある。石塔を持つ墓が広く分布し、14〜15世紀にかけて火葬の進展と連動している。霊場もこの時期から顕著となる。15世紀には集団墓が出現し、座葬は16世紀に出現する。この時期には納骨信仰も盛んとなる。鍋被墓のような特徴的な墓制がある。などの所見を得た。さらに四国地方では、屋敷墓的な墳墓が多く見つかっていること。火葬の出現は13世紀に求められるが、蔵骨器を使用する事例はあまり多くないこと。石組を有する区画墓はほとんど事例がないこと。などが得られた。ただ、火葬の問題に関しては岩穴を利用した伊谷寺における納骨信仰の評価を行う必要がある。九州地域では、北部九州には陶磁器を保有する土壙墓がきわめて多く出土しており、これらは屋敷墓として捉えられる事例に酷似すること。蔵骨器を用いる火葬墓の出現は、13世紀代にはじまり、同時に石組を有する墓も出現すること。横穴式石室再利用の事例に火葬があり、それは12世紀代に遡る可能性があること。などが抽出できた。
これらの所見は今後に実施する他地域との比較に有効に活用する所存であり、次年度には中国、関東、東海における資料集成刊行と研究会を実施する。また学融合をめざした小討論会の実施をこまめに行い、多くの課題を抽出し、ひとつひとつ整理整頓して、研究の目的達成に近づけたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 高屋宝性院出土五輪塔実測記2004

    • 著者名/発表者名
      狭川真一
    • 雑誌名

      元興寺文化財研究所研究報告2003

      ページ: 27-37

  • [雑誌論文] 墳墓遺跡及び葬送墓制研究の観点からみた中世2004

    • 著者名/発表者名
      狭川真一
    • 雑誌名

      歴史読本 49巻・9号

      ページ: 246-249

  • [雑誌論文] 都市の墓-中世都市奈良の墓-2004

    • 著者名/発表者名
      佐藤亜聖
    • 雑誌名

      歴史読本 49巻・9号

      ページ: 250-253

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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