研究課題
安全は人間の知性と努力により生み出すもので、その確保は全ての社会活動に課せられた責務である。大多数の化学物質類は環境破壊の原因のみならず、人間にも有害性や危険性を有している。したがって、化学物質類の潜在的危険性について、使用する大学等の教育・研究機関の自覚と教育が社会的に要請されている。そこで使用される化学物質類は種類が非常に多いこと、潜在的危険性がほとんど検討されていないこと、使用形態が非定常的で多種多様であること、教育履修中の学生の使用頻度が高いこと等から、事故発生の危険性が相当高い。さらに、微量物質による長期的環境問題が深刻になるとともに、大学等の教育・研究機関でも化学物質類の適正管理下における安全使用、無害化廃棄が急務となり、法規制の適用も厳格化されつつある。京都大学では、化学物質等の安全・適正管理、研究者・学生への教育と自覚のため、Webを利用した一元管理システム(KUCRS)を全学的に構築した。現在、約600台の端末が設置されている。利用者が化学物質等の取得時に登録し、それらに関する知識や危険性を学ぶことになり、使用量の把握や各種法規制との整合性の点検等により、安全性の確保、より危険性の少ない化学薬品等を最小量使うことにもなる効果を生み、実験者の特別健康診断の基礎資料としても活用されている。一方で、教育・研究機関での化学物質等総合管理法の未確立、システムの事務的・機械的運用の困難さといった問題点の解決が今後の主要課題である。しかし、化学物質等の適正総合的管理は、たんに法規制に対応するためだけでなく、体系的環境安全教育・研究を推進する基盤として重要である。KUCRSはすでに数多くの教育・研究機関に導入されている。LANによる化学物質管理システムが実効的であることをKUCRSのこれまでの実績が示しており、今後の全教育・研究機関への円滑な展開が待たれる。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (16件)
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