研究課題
医用画像の視覚評価法の一つにContrast-Detail(C-D)解析法と呼ばれる評価法があるが、読影実験のコストを軽減するために、マルコフモデルを用いたC-Dダイアグラムの新しい作成法を提案しその検討を行った。その結果、提案した方法は、再現性に優れかつ必要な読影実験の回数を減らすことができ、多くの観察資料を用いて作成されるC-Dダイアグラムと同様なものが得られることがわかった。LSFとPSFの測定結果を用いて計算されるCT上の画像の機種による変化について、どのくらいの精度があるかについての検討を行った。円筒状造影血管について、LSFの測定結果を使用してコンピュータシミュレーションによって求めたプロファイルと円筒状血管ファントムの実際のCT画像のプロファイルとは良く一致する結果となった。このことから、LSFの測定によって、被写体画像に与える空間分解能の影響を正確に予測することが可能になると予測される結果となった。画質と被ばく線量管理を目的に開発された胸部CT検診用ファントムを用いて、画質の変化に対するCADの性能の検討を行った。今回検討したCADについて、ノイズの増加に伴ってCADの最小検出径が増加することが確認された。マルチ検出器列CTによる種々の部位の検査における臓器組織線量を人体型ファントムにより測定し、実効線量を評価した。ここで、検査条件は実際の臨床検査時と同じとし、実効線量はICRP60に従って計算した。その結果、1)成人の体幹部検査時の実効線量は7〜13mSvであった。照射野内の臓器組織の線量は20〜30mGyに達するものもあった。2)幼児の胸部検査時の実効線量はおよそ7-8mSvであった。頭部検査における実効線量は4機種平均で2.6mSvであったが装置間差が3倍程度あった。頭部検査時は殊に実効線量と照射野内の臓器線量との差が著しい。等のことがわかった。
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