研究分担者 |
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70243219)
中本 将彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00380634)
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
山崎 隆治 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師 (40432546)
上甲 剛 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20263270)
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研究概要 |
医用画像から個々の患者の体内構造を復元することは,計算機による診断支援・治療計画の前提条件である.一つの方法は,予め用意された人体解剖構造の標準モデルを,直接,医用画像に当てはめることにより患者固有のモデルを復元することである.このとき,標準モデルは,疾患に伴う変形も含めて各個体のもつバリエーションに適応する必要がある.近年,個体間バリエーションも含めた解剖構造の数理モデル構築を目指す計算解剖学と呼ばれる学問領域が創成されつつある.本特定領域では,この人体解剖の数理モデルを「電体新書」と名付け,知的診断支援を実現するために不可欠の基盤技術として位置づけた.特に,個体群データの統計処理により得られるモデルは,統計アトラスと呼ばれており,その構築法の基盤研究および画像解析・画像診断支援への応用研究が盛んに行われている.本研究では,統計アトラス構築において,以下の点について研究を行った : (1)個々の臓器形状にとどまらず複数臓器が関与した体内構造のもつ階層性を扱う統計アトラス構築の枠組み。(2)階層的統計アトラス構築に必要をされる臓器の内部構造・副構造の抽出およびモデル化の枠組み。従来の統計アトラス研究では,対象臓器として脳や単一臓器形状が扱われてきたのに対して,本研究では,複数の臓器からなる腹部(の腹腔内複数臓器)や関節を対象とした.これら複数臓器間の階層性に着目した統計アトラスの構築と利用の統合的枠組みの定式化を目指した.さらに,本研究では,臓器間の階層関係に加えて,臓器内の階層関係のモデリングを目指した.そのため,個々の臓器の内部構造・副構造の抽出・モデリングに取り組んだ.具体的には,肝臓の内部構造である肝血管に基づく肝区域,関節の副構造である軟骨の抽出に取り組んだ.
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