研究分担者 |
久保 満 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助手 (30325245)
西谷 弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50117206)
江口 研二 東海大学, 医学部, 教授 (30349336)
中野 恭幸 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00362377)
大松 広伸 徳島大学, 国立がんセンター, 研究員 (40415518)
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研究概要 |
マルチスライスCTの進歩により,臨床分野からこの膨大な3次元CT画像を正確に効率よく読影する診断支援技術の開発が強く求められている.これには医師がコンピュータを利用した新しい画像診断が有望である.このため,本研究では1.画像データベースの構築,2.肺がんを中心とした多臓器・多疾患の画像診断支援アルゴリズムの開発,3.臨床評価とシステム化の研究量題に取り組んだ. 1. 画像データベース構築 個人情報を保護するセキュリティ対策を施したマルチモーダル画像データベースの大規模化と体幹部がん検出・診断アルゴリズムの臨床評価を実施できる体制の構築を行った. 2. 肺がんを中心とした多臓器・多疾患の画像診断支援アルゴリズムのシステム化 体幹部CT画像から体幹部の疾患の形態的・機能的な画像特徴の定量的な解析による定量的な根拠に基づいて肺がん・肺気腫・冠動脈石灰化・骨粗鬆症の検出・診断アルゴリズムを開発した.本年度の取り組みは次の通りである. (1)臓器セグメンテーションと計測:臓器の解剖学的構造の空間的配置を導入し,臓器抽出の高度化を進め,区域気管支の分類を肺葉内における気管支の空間的な分布を用いて行うアルゴリズムを研究開発した. (2)肺がん検出アルゴリズム:高精度な臓器セグメンテーションの結果に基づいて,肺内領域や肺境界領域を検査して孤立結節,血管に接触する結節,胸壁・縦隔・横隔膜に接触する結節を検出するアルゴリズムを研究開発した. (3)肺気腫検出:肺気腫検出は,肺内領域内で低濃度の小領域を検出するアルゴリズムの開発を進めた.時系列の3次元CT画像を用いて肺内領域内で低濃度領域の経過変化を定量化する手法を開発した. (4)冠動脈石灰化検出:冠動脈石灰化検出は縦隔領域の大動脈・肺動脈を特定し,冠動脈が走行する心臓表面領域の高濃度の小領域を検出する手法を開発した. (5)骨粗鬆症検出:骨粗鬆症検出は脊椎を解析して各胸椎を特定し,その海綿骨部のCT値・骨密度値を測定して異常部位の検出を行う手法を開発した. 3. 臨床評価とシステム化 体幹部疾患検出・診断アルゴリズムを画像データベースによる統計的な評価によってその有用性を示した.これらのアルゴリズムを統合した高性能診断エンジン,高機能UI及び,実時間処理などのシステム化に向けた研究開発を実施した.
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