研究課題/領域番号 |
15071201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80182624)
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研究分担者 |
池田 正史 理化学研究所, 計算科学技術推進室, 基礎科学特別研究員 (60344024)
岡 朋治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10291056)
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キーワード | テラヘルツ / サブミリ波 / 星間分子雲 / 銀河系 / 電波望遠鏡 / 中性炭素原子 / 超伝導 |
研究概要 |
本研究では、超伝導ホットエレクトロン・ボロメータ素子を用いた高感度かつ実用的なテラヘルツ帯の受信機を実現し、それを用いて星間プラズマに存在する窒素イオンのスペクトル線(1.46THz)の銀河面広域観測を行う。この観測を中性炭素原子、一酸化炭素分子の分布などと比較することにより、プラズマが分子雲の形成、進化に果たす役割を観測的に解明する。 本年度は超伝導ホットエレクトロン・ボロメータ素子を製作するための装置の導入、整備、および立上げを行った。超伝導ホットエレクトロン・ボロメータ素子を作るには100nmサイズの超伝導薄膜細線を形成する必要がある。そのために、精密な微細描画が可能な電子ビーム描画装置を導入した。石英ウエハ上に多数の素子を描画すると、ウエハの微妙な凹凸のために場所によって焦点がぼけて素子の質が不揃いになることが、過去の我々の経験からわかっていたので、素子の近くのマーカーをモニターし自動的に焦点を調整する装置をメーカーと共同で検討、開発した。また、ショットキーエミッション型の電子銃を採用し、ビームカレントの安定性を図った。現在までに、描画のテストを行って、素子製作に向けた描画パラメーターの最適化を行った。 また、形成した超伝導薄膜の厚さを精密に制御するために、その測定装置(膜厚計)を導入した。これにより、製作する素子の歩留り向上と品質の安定化を図ることができるようになった。さらに、上記の素子製作を行うためのクリーンブースを実験室内に設置して運用できるように立上げを行った。
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