研究課題
1.第1回研究会「充填スクッテルダイト構造に創出する新しい量子多電子状態の展開」を、東京都立大学・国際交流会館において開催した(H15年11月27日-29日)。評価委員を含む100名を超える出席者(評価委員のフルケ教授はじめ国外からの参加者4名を含む)による活発な質疑応答が行われた。口頭50件、ポスター38件の発表に加え、最終日には終了後、特別参加の糟谷忠雄氏による評価・講評もなされた。口頭の約4割、ポスターの約半数が計画班以外からの発表であり、試料育成の新提案、理論モデルの提案など、今後の発展に繋がる発表があった。主なテーマは、試料育成の現状と次なる展開、測定ではPr系スクッテルダイト、特に重い電子超伝導体PrOs_4Sb_<12>の超伝導状態と磁場誘起秩序相に集中したが、Ce-、Sm-系スクッテルダイトの示す新しい振る舞いの報告もなされた。また、充填スクッテルダイトの特異性の元となる構造の類似性を持つ他の物質系の報告もなされた。2.本研究領域で遅れていた理論研究の早急な活性化を計るため、計画班A03代表の播磨を中心として、「スクッテルダイト理論勉強会」を関西セミナーハウスで開催した(平成15年12月21-23日)。総括班より、播磨、佐藤と斯波評価委員、実験家の立場からの3名を加え、若手を中心として計38名が参加して活発な議論が行われた。主要なテーマは、電子構造、結晶場、多重極秩序、f^2の重い電子状態、四重極近藤効果、非フェルミ液体、ラトリング、熱電能、超伝導となっている。3.計画班・領域内のみならず、更にこの研究領域への研究者の参加を促進することを目指し、情報提供促進のためHP (http://skut.phys.metro-u.ac.jp/)の充実を進めている。ニュースレター第1号(H15年12月発行)、関連論文、育成試料ごとの物性、等の最新情報を掲載している。
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