研究課題/領域番号 |
15072204
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
播磨 尚朝 神戸大学, 理学部, 教授 (50211496)
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研究分担者 |
大貫 惇睦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40118659)
鄭 国慶 岡山大学, 理学部, 教授 (50231444)
今田 真 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90240837)
清水 克哉 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (70283736)
難波 孝夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30091721)
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キーワード | スクッテルダイト / 電場勾配 / デハース・ファンアルフェン効果 / 超伝導体 / 近藤共鳴 / フェルミ面 / スピン密度波 / 光学伝導度 |
研究概要 |
(電子状態計算)PrRu_4Sb_<12>とPrOs_4Sb_<12>に対してLDA+U法による電場勾配の計算を実行し、局在f電子の異方的電荷分布がSb位置の電場勾配に与える影響を調べた。 (dHvAと高磁場)CeRu_4Sb_<12>の加圧下dHvA効果で、サイクロトロン質量が著しく減少することを見出した。また、CePt_3Si単結晶での磁性と超伝導の共存、準1次元フェルミ面を持つNdRh_3B_2、 GdRh_3B_2の電子状態の研究も行った。 (NMR/NQR)CeOs_4Sb_<12>はT=0.9K以下で1次相転移的にスピン密度波状態に転移すること、相関の強い4fバンド電子が反強磁性量子臨界現象を引き起こすことを示した。PrOs_4Sb_<12>のOsの一部をRuで置換した系で、フェルミ準位に有限な状態密度が誘起される事を明らかにしたが、これは超伝導ギャップに節が存在することを示している。 (光電子分光)PrFe_4P_<12>について、バルク敏感かつ高分解能なPr-4fスペクトルを測定した結果、表面敏感な測定では見られなかった強い構造をフェルミ準位近傍に見いだし、その温度変化からこの構造を近藤共鳴と結論づけた。 (高圧物性)PrRu_4P_<12>の低温高圧下構造解析を行い、M-I転移圧力前後でPのカゴの形状が変化することを明らかにした。また、SmRu_4P_<12>において15GPaまでの電気抵抗測定を行い、高圧下で金属的な電気抵抗を示すことが分かった。 (赤外分光)22Kで反強磁性に転移するGdRu_4P_<12>の赤外での光学伝導度スペクトルの温度変化より、20meV付近に低温で新しいピーク構造が現れる事を見出した。これは低温で発達する擬ギャップ状態に対応し、そのピークシフトがBCS理論で良く説明される事から反強磁性秩序状態に伴うCDWの形成によるものであると結論付けた。 (Sm系NMR/NQR)SmT_4P_<12>系化合物についてNMR測定による研究を行った。T=Feは結晶場基底・励起状態のエネルギー差が小さく、低温で遍歴・局在性を合わせ持つ可能性を示唆した。T=Ruについては約16Kにおける秩序が反強的なものである実験的証拠を得た。
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