研究課題/領域番号 |
15072206
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80106608)
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研究分担者 |
菅原 仁 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60264587)
青木 勇二 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (20231772)
神木 正史 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30004451)
岩佐 和晃 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00275009)
桑原 慶太郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90315747)
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キーワード | 充填スクッテルダイト / 重い電子系 / 多重極秩序 / ラトリング / 新奇超伝導 / 磁場誘起秩序 / 強相関電子系 / c-f混成効果 |
研究概要 |
本研究班責務として、充填スクッテルダイト純良単結晶をフラックス法により育成し領域内・領域外研究グループに供給し、各種条件化でNMR、磁化、超音波、熱伝導度等の共同研究が進められた。通常フラックス法で不可能な構成要素での単結晶育成をめざし高圧合成炉H16年2月に導入、調整・条件調査をほぼ終了し、試料育成が開始される。 本研究班が主体となって進めた実験結果の主要な例について報告する。 1.PrFe_4P_<12>、PrRu_4P_<12>の非磁性秩序状態の解明のため、磁場下中性子散乱測定を行い、前者についてq=<100>に対応する超格子反射を確認し、反強四重極秩序であることを示した。更に、偏極中性子回析を行い、秩序変数がO_2^0型の四重極モーメントである証拠を得た。後者についても、原子変移が4〜10倍大きな超格子反射を確認した。両物質の高温相での中性子非弾性散乱測定において、スペクトル幅の広い準弾性散乱を関することにより、他の測定から類推されていた、Pr化合物としては特異な強いcf-混成効果を確認した。 2.物性測定に耐えるSmOs_4Sb_<12>の純良単結晶育成に初めて成功し、磁場中比熱を測定した。電子比熱係数は磁場に鈍感で0.80J/K^2mol.であり、極めて重い電子状態が確認された。 3.比熱及び熱伝導測定から示唆された、PrOs_4Sb_<12>の多重超伝導相の可能性を検証するため、磁束流抵抗測定を行い、これまで報告のない2段階ピーク効果を発見し、更に超伝導高温相でのピン止め力の磁場角度依存に熱伝導測定と同じ4回対称性を見出した。 4.μS R測定:PrOs_4Sb_<12>と参照物質LaOs_4Sb_<12>の超伝導相無磁場μS R測定の系統的な比較を行い、超伝導相で明白な内場の発生を確認した。これは、Sr_2RuO_4に次ぎ、金属系としては始めての時間反転対称性のやぶれを伴う超伝導体の発見となった。
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