研究課題
有機トランジスタが近年大変に注目を集め、活発に研究開発が進められている。有機トランジスタは、低温プロセスでプラスティック・フィルム上に形成できるため、軽量性、薄型化、可とう性、耐衝撃性に優れる。電子ペーパーをはじめとして曲げられるディスプレーの駆動回路には必要な技術である。さらに、印刷を利用すれば、大面積の集積回路の製造コストを抑えることができる。バーコードの代替として、無線タグを印刷で包装に直接作りつけることも夢ではない。実際に、インクジェットやマイクロ・コンタクト・プリンティングなど印刷で有機トランジスタが作製されている。印刷で作った有機トランジスタは、シリコンよりも単位面積あたりの製造コストが2桁以上安くなると試算される。面積が大きくなるほど、有機トランジスタの優位性が顕著になり、その持ち味が発揮される。代表者らは、有機半導体や導電性高分子など機能性ナノ分子材料を用い、シリコンやガリウム砒素などの無機半導体ではカバーしきれない新しいエレクトロニクス分野を開拓することを目標とした研究を推進した。特に、有機半導体をチャネル層とした有機トランジスタの微細化研究に取り組み、センサーへの応用を目指した。その結果、以下の研究成果を挙げることができた。ゲート絶縁膜や有機半導体層に検討を加え、クニャクニャと曲げられる有機トランジスタの作製技術を確立した。特に、自由に曲がるトランジスタとしては、世界最高の移動度(1.4cm2/Vs)を実現した。また、実際に半径2mmの棒に巻きつけても動作することを示した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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Third International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE3), National Center of Sciences (National Institute of Informatics) 40-A09(印刷中)
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