研究課題
本研究は、有機トランジスタをナノ寸法まで微細化して高性能化し、大面積センサーに応用する研究を推進する。昨年度までに、自由に曲がる有機トランジスタとしては世界最高の移動度(1.4cm^2/Vs)を実現し、大面積の圧力センサーを試作した。この大面積センサーの総面積が大きくなり、センサーセルの数が増えると、有機トランジスタの性能を大幅に向上する必要がある。そこで、本研究では、センサー用途に特化して、筆者らがこれまでに研究を進めてきたナノ印刷や張り合わせといった独自の低コスト製造手法を用いて、有機トランジスタの素子寸法をナノ寸法にまで微細化することを目標とする。本年度は、「有機半導体分子を用いたトランジスタをナノ寸法にまで微細化して、大面積センサーに応用する」ため、張り合わせ法によって有機トランジスタを製造する方法に取り組んだ。有機トランジスタの性能の向上には、デバイス寸法の微細化が重要である。これまでの研究によって、縦方向(厚み方向)の素子寸法については、200nmまで微細化することが出来るようになった。本年度は、横方向(チャネル)の微細を進める。まず、ソース・ドレイン電極として、蒸着によって形成された金、インクジェットによって形成された銀、スパッタによって形成された銅をもちい、電極のギャップを2.5ミクロンまで微細化した。その結果、移動度が0.3平方センチメートル/ボルト秒という良好なトランジスタを形成することに成功した。
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IEEE Transactions on Electron Devices, (NOV 2005). Volume 52, Issue 11
ページ: 2502-2511
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, (August 30, 2005). Volume 102, Issue 35
ページ: 12321-12325