研究課題
H18年度は本研究課題で建設されたキュービックアンビル装置が本格的に稼働し、順調に成果が出ている。また、キュービックアンビルと組み合わせた電磁石も5Teslaの磁場の発生に成功した。また、下記のような成果を得た。(1)TTF-TCNQのCDW抑制による金属化。この研究は30年前のフランスのグループが3GPaまでの研究を行っており、過去の研究の再現の検証とより高い圧力での予想された金属化の様子を研究した。今回、キュービックアンビル装置で8GPaまでの研究をすすめ、電荷移動に伴うCDWが圧力とともに不整合=>整合=>不整合と変遷して低温までの金属化していく様子が明瞭に示された。この論文はJ.Phys.Soc.Jpn.の2007年3月号で発表され、Editor's Choiceに選ばれた。(2)π-d系有機伝導体(EDT-DSDTFVSDS)_2FeBr_4のスピンフロップに伴う磁気抵抗の巨大異常とGaBr_4塩の物性との比較によるπ-d相互作用の効果を詳細に調べることができた。(3)一次元有機超伝導体として,TMTSF塩やDMET塩よりも高い次元性を有していると考えられる。(DMET-TSeF)_2I_3について、磁気抵抗の第三角度効果を測定して常圧および静水圧下でバンド幅の異方性を決定した。化学圧力の効果によってこの塩の次元性が類似系よりも大幅に高くなっていることを明らかにすると同時に、一次元系の基底状態に対する圧力の効果は、単に次元性だけでは説明できないことを実験的に明らかにした。(4)β"-(OTDA-TTP)_2SbF_6とβ"-(OTDA-TTP)_2AsF_6の高圧物性の比較検討を行った。前者は擬2次元で1/2充填、後者は擬1次元で1/4充填で輸送現象の違いを追及したが、違いは少なかった。(5)室温での固化圧力がより高圧力媒体の開発に成功した。
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