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2005 年度 実績報告書

第一原理計算に基づく極限環境下における分子性固体の構造の電子機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15073226
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

石橋 章司  独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究グループ長 (30356448)

研究分担者 寺倉 清之  北海道大学, 創成科学共同研究機構特定研究部門, 特任教授 (40028212)
浅井 美博  独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究グループ長 (20192461)
キーワード分子性固体 / 有機導体 / 第一原理計算 / 物性理論
研究概要

単一成分で金属となる最初の分子性導体Ni(tmdt)2の合成以来、中心金属原子あるいはリガンド部分の置換により、次々と新物質が合成され新たな一群を形成している。その内容は、金属から絶縁体まで多岐にわたり、磁性の有無の違いも存在する。前年度は、主としてNi(tmdt)2やAu(tmdt)2のように平板状分子からなる物質群を対象としてきたが、本年度は、ねじれた構造を持つ分子からなる物質Cu(dmdt)2とZn(tmdt)2について第一原理計算による電子状態の解明を行なった。非磁性Cu(dmdt)2は、半金属で大きなFermi面を示すのに対し、Zn(tmdt)2のそれは、小さなポケットでほとんどゼロギャップ半導体の様相を呈している。実験で確認されている磁化率の常磁性成分には、この小さなFermiポケットが寄与している可能性がある。Cu(dmdt)2においては、局在スピンが実験で確認されているので、スピンを考慮した計算を行なったところ、一分子当たり約0.8μBの磁気モーメントを持つ反強磁性秩序を示す結果が得られた。この磁気モーメントの値は、実験結果をほぼ再現している。昨年度報告した分子内で反強磁性となるAu(tmdt)2とは異なり、Cu(dmdt)2では、分子内では強磁性的なスピン分極となっている。また、以上の4種類の孤立分子について、2つのリガンド部分のなす二面角を関数として全エネルギーを計算し比較することで、分子形状の差異の原因を調べた。その他、Fermi準位においてDirac cone型のバンド分散を持ち、特異な物性を示すことで注目を集めているα-(BEDT-TTF)2I3において、298Kと120Kでの実験構造データを用いて第一原理計算を行ない、3次元のBrillouin zoneにおけるFermi面形状を調べた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Ab initio electronic-structure calculations for α-(BEDT-TTF)2I32006

    • 著者名/発表者名
      S.Ishibashi, T.Tamura, M.Kohyama, K.Terakura
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 75

      ページ: 15005

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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