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2003 年度 実績報告書

金属ガラスの電子構造解析による相安定化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15074207
研究機関名古屋大学

研究代表者

水谷 宇一郎  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00072679)

研究分担者 佐藤 洋一  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024094)
竹内 恒博  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00293655)
曽田 一雄  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70154705)
長谷川 正  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20218457)
キーワード金属ガラス / 相安定性 / 電子構造 / ヒューム・ロザリー則 / 擬ギャップ / 光電子分光 / バンド計算 / 過冷却液体
研究概要

金属ガラスの相安定性を電子論の立場から解明することを目的とする.具体的には金属ガラスと関連する結晶化合物の電子構造を実験と理論の両面から調べ以下の研究成果を得た.
1.Zr系金属ガラスの相安定性は酸素などの極微量不純物に敏感であるとされている.そこで,極めて不純物酸素濃度が低いZr系金属ガラスを作製できるプロセスを考案し,金属ガラスの作製に成功した.
2.研究対象とすべき関連結晶化合物の特定には,金属ガラスの結晶化過程を明らかにする必要がある.特に,結晶化過程に現れる準安定化合物は重要な研究対象となる.そこで,Zr-Ni-Al系金属ガラスを対象として,示差走査熱分析とX線回折測定を用いて結晶化過程を明らかにし,準安定化合物を含めた関連化合物を特定した.
3.最も典型的な金属ガラスであるZr_<55>Cu_<30>Ni_5Al_<10>金属ガラスのフェルミレベル近傍での光電子分光スペクトルを測定して電子構造を明らかにした.フェルミレベル近傍に擬ギャップが存在しないAuのスペクトルと比較すると,Zr_<55>Cu_<30>Ni_5Al_<10>金属ガラスのスペクトルには0.1eV付近から状態密度の明らかな減少が見られる.この結果より,Zr_<55>Cu_<30>Ni_5Al_<10>金属ガラスがフェルミレベル近傍に擬ギャップを有していることが明らかにされた。
4.Zr-Ni-Al系金属ガラスの関連化合物である正方晶Zr_2NiとZrNiAlのLMTO-ASA法によるバンド計算を行い電子構造を明らかにした.正方晶Zr_2NiとZrNiAlのフェルミレベル近傍にはいずれも浅い擬ギャップが存在していることがわかった.これらの結果は金属ガラスの安定化機構に擬ギャップが寄与していることを示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 水谷宇一郎: "アモルファス合金、準結晶に代表される複雑構造物質の電子論に基づく相安定性とHumu-Rothery則に関する研究"第134回日本金属学会講演概要. 134(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 武富剛士 他: "Zr-Ni-Al系金属ガラスの結晶化過程と準安定化合物"第134回日本金属学会講演概要. 134(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 武富剛士 他: "Zr-Ni-Al系金属ガラスと関連化合物の相安定性と電子構造"第107回東北大学金属材料研究所講演会概要. 107(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 榛葉蔵人 他: "バルク金属ガラスZr_<55>AL_<10>Cu_<30>Ni_5の電子構造"第17回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム講演概要集. 60 (2004)

  • [文献書誌] 曽田一雄 他: "Zr-Al-Cu-Niバルク金属ガラスの価電子帯電子構造"日本物理学会第59回年次大会講演概要集第4分冊. 575 (2004)

  • [文献書誌] 佐藤洋一 他: "γ-Cu_5Zn_8化合物の擬ギャップに寄与するゾーン面の特定"日本物理学会第59回年次大会講演概要集第4分冊. (発表予定).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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