研究概要 |
本特定領域では,昨年度から公募研究を加えた総数26グループでプロジェクト研究を進めている.そのため,総括班では研究代表者会議を開催し,一つの研究領域として目指すべき方向の確認と,それぞれのテーマの位置づけや全体の中での整合性について確認し合い,相互の連携を促進することによって,それぞれの研究がより大きく展開できるよう情報交換を行った.本年度に特定領域全体として得られた研究成果の主要な項目は以下の通りである.(1)マイクロプラズマ生成用小型電源の開発.(2)超臨界流体の放電初期過程における特異現象の理論的解明.(3)マイクロプラズマの周期配列を用いたプラズマフォトニック結晶の概念の実験的検証.(4)極端紫外(EUV)光源用小型高密度ピンチにおけるマイクロプラズマのパラメータ診断(5)マイクロプラズマジェットの局所材料プロセス・微量化学分析(μ-TAS)・マイクロサテライト用スラスター等への新規応用の開拓. また研究成果の社会還元行事として,例年公開シンポジウムを開催しているが,今年度はテーマを"マイクロプラズマジェット-原理・応用とその可能性-"に設定して,3件のレビュー講演と8件の研究報告を行った.それ以外には,ニュースレターを1回発行し,本領域のホームページを適宜更新しながら運営している.さらに本年度の研究成果を各テーマ毎に取り纏め,総括班の分とあわせて全280ページのプログレスレポートとして発行した.その本文は和文であるが,概要と図説は英文とし,海外の関連研究者にも配布する予定である. なお,本研究領域では本年度の半ばに中間評価を受け,順調な研究進捗に対するAの評価とともに,各テーマ間で連携を強く取り合ってマイクロプラズマの体系化に努めること,ならびに研究成果の公表・普及をさらに加速することが必要である,というコメントをもらっている.それを踏まえて,総括班として後半期における連携強化のための具体的な方策を議論し,研究成果の国際的学会誌への発表を啓発している.
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