研究概要 |
5年の研究期間を通し,「マイクロプラズマ」を新学術分野として確立して体系化していくことを念頭に置きながらプロジェクトを推進した.具体的な研究成果の内容は次の通りである.「つくる」班では,種々のマイクロプラズマデバイスと駆動用超小型電源の開発,プラズマ生成におけるガス流のダイナミックス,新規媒質としての液体や超臨界流体中でのプラズマ生成,磁場を利用した低圧下でのマイクロプラズマ生成,高効率プラズマ生成に向けた電極や器壁材料の開発などのテーマでの研究が進展した.「みる」班では,微小空間や壁面近傍での荷電粒子や励起粒子の時空間挙動の新しい計測法の確立や,各種マイクロ放電の動作機構の解明などの研究に加えて,マイクロプラズマの人工的配列による新規材料(メタマテリアル)としての機能に関する研究,気泡を含む液体中での放電現象と生成されたラジカルの計測などの新しい研究が進展した.「つかう」班では,マイクロプラズマジェットによるバイオマテリアル処理,低温気体中でのマイクロ放電による新材料合成,イオン液体中でのカーボンナノチューブへのDNAの内包技術やマイクロプラズマ推進器の開発などの研究において学術的な基礎が確立され,新規応用への展開が精力的に行われた. 総括班では,これらの研究を統括して牽引し,得られた研究成果を社会に公表するため,主要な国際会議でマイクロプラズマのセッションを企画して,班員に積極的な参加を促してきた.また,本領域の発足と同時に日本でスタートしたマイクロプラズマ国際会議(IWM)は,これまでに,米国,ドイツ,台湾で継続的に4回開催され,国際的な組織化が進んできた.その他,一般公開シンポジウム,ホームページの開設,ニュースレターの発行などによって,研究成果の公表を行ってきた.
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