研究概要 |
本計画ではマイクロプラズマの性質の解明および評価方法の確立を目指し,シミュレーションおよび基礎実験により,(1)マイクロ荷電粒子バンチの生成,(2)超臨界プラズマを含む放電マイクロプラズマの性質解明及び生成制御、(3)レーザー生成マイクロプラズマからの放射現象の解明,(4)マイクロプラズマシミュレータの構築を目指す。 本年度は,(1)レーザの高次モードを用いることで電子バンチを横方向に閉じ込め,同時に進行方向にも加速できることがわかった.又,レーザーに昭射されたプラズマから生成された陽子ビームの発散を抑える効果も新たに見つかった.更にこの研究の過程で新たな電子及びイオンバンチの生成方法についても示唆的な結果が得られ,新たな成果に繋がる期待感を持っている.更に,(2)放電によりマイクロプラズマを任意の場所に形成することを目指し基礎実験を始めた.現在一定の場所でmmサイズの小さなプラズマを安定に生成することができた.今後生成場所の制御を行う予定である.また,超臨界プラズマに関し超臨界状態の調査を行った.その結果超臨界状態での電子状態・クラスター形成が重要であることがわかり,接触した研究者との共同研究体制を探っている.(3)レーザに昭射された磁化プラズマからの放射の基礎実験を行い,プラズマからの放射電磁波の偏向面を計測し,放射電磁波の周波数および周波数広がりを調べた.また,イオンコラムが形成する電場中での電子の周期運動によるモデルを構成し,本現象の説明可能になった.今後,現在平行して開発中の周波数計測装置を用い実験を行う予定である.(4)マイクロプラズマシミュレータの構築の準備を開始し,シミュレータサーバにホームページからアクセスすると,利用可能なコンピュータ群の情報が一覧でき,その中からユーザの指定したコンピュータにユーザのプログラムを転送し実行するところまで試作できた.
|