研究概要 |
〜10^<20>eV以上の一次宇宙線の存在とクラスターの存在を確立するためには、エネルギーと到来方向の決定精度を良くする事が必須である.エネルギーの決定精度にはシンチレーション検出器の粒子数測定、クラスターの発見には角度測定精度が良くなければならない.我々はこの目的のために地表検出器として大型の薄型シンチレーション検出器(3m^2)を開発した。その基本特性の測定を行いながら性能の向上を図り,平成16年度に最終モデルを完成した。平成16年度にその特性について,詳細な測定と実地でのテストを行うために20台のエンジニアリングアレイを現地の観測場所に設置し,所期の成果を確認した。 今年度は5月から12月にかけて350台の検出器を東京大学宇宙線研究所(柏市)において製作を行った。これらの検出器全てに対しては,1台ずつ宇宙線の測定を通して詳細な性能チェックを行った。また,複数の検出器に対しては位置によるレスポンスの一様性の測定を行い,所期の(概ね10%程度の変化)性能が得られていることを確認した。これらの検出器に使用する全ての光電子増倍管に対して光電面の応答性の一様性について測定を行い,所期の性能を満たす700本を選択した。 その後,ユタ州ミラード郡デルタに250台を移送し,現地において平成18年1月中旬より最終組み立てを行った。その後,再び全検出器に対して日本で行ったのと同じ方法で性能チェックを行い,平成18年3月に250台の全ての検出器の稼働を確認した。 今後は,これらの検出器にエレクトロニクスを組み込を行った後,平成18年6月頃現地ミラード郡の観測場所に展開,配置する予定である。また,現在宇宙線研究所にある残りの100台の検出器は平成18年8月頃にデルタに送り,同様なテストの後観測場所に設置する予定である。
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