研究概要 |
シミュレーションコードの開発および実行用のPCクラスタを構築した。150GHz相当の処理能力を持つ.当初ネットワーク環境が不安定であったが,安定化に成功した.ジョブ制御にはSun Grid Engine,コンパイラにはIntel Fortran, C,C++、およびJava環境を導入した。RedHatLinux9.0をupdateする事により,当初2GB以上のファイルの作製に問題点があったのが解消された.宇宙線の大気中でのFull SimulationコードCosmosを稼働させ、10^<17>eVまでの直接Full Simulationが可能な事を実証した.10^<17>eVの陽子入射に対しては、およそ1週間のcpu時間が必要である.さらに並列分散処理の方法をCosmosコードに組み込む事に成功,10^<19>eVのFull Simulationを10日間で可能とした.現在これらの結果を再現し、GZKカットオフを越える10^<21>eVまで外挿が可能な超高速コードの開発を行っている。超高速コードの開発は本計画研究班とBO2(最高エネルギー粒子放射源の同定による粒子線天文学の確立)班との共同作業でJavaを用いた拡張性に富むコードになる予定である. LHC関係:2007年以降に完成するLHCを用いる実験は,数100GeV〜数TeVのガンマ線とTeV領域の中性子を観測し,そのエネルギースペクトルを求める計画である.測定にはタングステンとプラスチックシンチレータからなるカロリメータを使用する.また,粒子の起こすカスケードシャワーを観測する際,その入射位置を300ミクロンメータ程度以上の分解能で知るために,シンチレーティング・ファイバーを使用し,読み出しをMAPMT(Multi-Anode Photo Multiplier)で行う.装置はLHCのビームパイプの構造上極めて狭隘な空間に設置する必要があり,装置の小型化が必須である.MAPMTからのアナログ信号は512chになるが,それらを高速に読み出し,ディジタイズするため,ノルウエーのIDE社に特注・カスタマイズしたViking chipを使う.これらの高速処理が必須であるが,そのための回路開発を行った.
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