研究概要 |
10^<19>eVまでの完全モンテカルロ計算をシステマティックに行い,データベース化した.データベース化には当初MySQLなどの高機能な物を採用する予定であったが,パーフォーマンスに問題点があることが判明した.そのため,むしろ基本的な機能のみを提供するqdbmを採用した.これにより35GB程度のサイズになる1事例の空気シャワーデータを処理すると,数時間から10数時間で完了できる.結果は圧縮することにより1/5程度にできた.10^<19>eVの完全シミュレーションは10~14日で可能である. 10^<20>eVのシャワーは同様の方法ではさらに10倍の時間が掛かり実用的でない.そこで粒子に重みをつけない新たな一種のThin Samplingを行い,実質的に完全モンテカルロと変わりのない準完全モンテカルロ・シミュレーションを行う方法を開発した.これにより,10^<20>eVのシャワーも同様にデータベース化した. シャワーごとに揺らぐ現象を高速にシミュレーションするには上記データベースに加えシャワーの発達を示す1000例規模のデータが必要である.これは従来のThin Sampling法で作成可能である(1日程度).このデータもデータベース化した.これらのデータベースを有機的に結合して高速にシャワーの任意の情報を取得するC言語のコードを開発した.現在TA実験の共通言語のJAVAによるインターフェイスを開発中である.ガンマ線や原子核入射に関しても同様の手法が適用可能で今後開発を行う. PCクラスタの補強のために新たに5台のPCを増設した.従来のものの1.65倍の能力がある.また大規模データの収納,高速アクセスのため,1.5TBのSATAアクセス可能な外付けraidディスク・システムを3台用意した. LHCでのモデル検証実験はCERN理事会において正式にLHCf実験として認可された.
|