研究課題
サイトカインシグナル抑制シグナルSOCS分子は、サイトカインバランスを制御することにより様々な局面で免疫反応を制御する。サイトカインシグナルはTh1とTh2のバランスを変化させることにより、免疫性疾患の病態の形成・予後を制御している。SOCSファミリー分子によるは分化の成立において重要な働きを持つ事から、アレルギーや自己免疫疾患とSOCSファミリー分子の発現との関係を明らかにする事により、サイトカインネットワークによるTh1およびTh2レパートリー制御のメカニズムを明らかにした。SOCS5とSOCS3はT細胞においてそれぞれIL-4とIL-12のシグナルを抑制して、Th2とTh1分化をそれぞれ抑制することにより、Th2とTh1反応を亢進させる働きを持つ。我々はSOCS5とSOCS3をT細胞特異的に高発現する遺伝子改変マウスおよび欠損マウスを用い、アレルギー性気道過敏反応およびアレルギー性結膜炎におけるSOCS5とSOCS3分子の役割を解析した。内因性のSOCS3の活性を抑制するドミナントネガティブ型、あるいはSOCS5を恒常的に発現させたマウス、およびT細胞特異的にSOCS3の発現を欠失させたマウスでは、顕著にこれらアレルギー性反応が抑制される事が明らかにされた。また、SOCS1欠損マウスでは、通常存在しない樹状細胞サブセットCD8+,CD11,cdu11,CD11b, B220,CD45RB-が増加していた。このサブセットは、TRLR9を高発現することからCpGに強く反応してIFN-gを産生する一方、免疫反応を抑制するレギュラトリー活性を保持していた。通常、SOCS1は樹状細胞で高発現していることから、SOCS1の発現は、樹状細胞においてレギュラトリー活性を持つサブセットの増幅を抑制することにより、免疫監視機構のホメオスターシスを維持する働きを持つ。
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