研究概要 |
抗ウイルスCTL免疫においてmDCが主にCD4陽性ヘルパーT細胞を、CD8陽性DCがCTLを直接誘導することが、確率しつつある。一方、pDCの抗ウイルス免疫誘導における役割に関しては、不明であり、これを明らかにするためにマウスHSV感染モデルを解析した。HSV感染マウスにおいてpDCsが欠失した条件下でLNDCsの抗原提示能が著しく低下していることをin vitroにて確認し、pDCsがAPC障害LNDCsのAPC能を回復するかどうかを詳細に検証した。APC障害LNDCsのAPC能をタイプIインターフェロン添加だけでは、全く回復しなかった。一方、pDCsを障害LNDCsとの共培養系に加えるとCTL誘導能が量依存的に回復した。しかし、transwellでpDCsとLNDCsを離して培養すると全く障害LNDCsのAPC能は回復しなかった。次に、活性化HEVを通り抜ける時にpDCsに発現するCD2,CD40Lの障害LNDCsのAPC能回復への関与とタイミングを明らかにするために、共培養初期16時間の間anti-CD2,anti-CD40L抗体を添加したところ、pDCsのLNDCsへのヘルプ能が有意に阻害された。anti-interferon alpha抗体は培養初期16時間CTL誘導能は阻害しなかったが、培養48時間までの後期、すなわちCTLのexpansion phaseには有意に関与することが判明した。pDCsのCTL誘導におけるAPCへのヘルパー機能と、その機序を明らかにした最初の仕事である。
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