・μ2欠損マウス胚細胞の解析μ2欠損マウスの3.5日胚細胞を培養した結果、μ2欠損胚由来細胞は野生型胚由来細胞のように生存できず死んでゆくことことからμ2は細胞の生存に必須であることがわかった。 ・μ3A/B積み荷蛋白質候補・ZnT3の輸送制御の解析ZnトランスポーターであるZnT3は6回膜貫通蛋白質であり、μ3A/Bの積み荷蛋白である可能性がある。そこで、種々のZnT3変異体を作成し、PC12細胞に発現させてその局在を検討した結果、N末端およびC末端の両方に細胞内局在を決定するシグナル配列が存在する可能性が示唆された。 ・変異体を用いたμ1Bの機能解析LDLRやTfRの側底面シグナルのμ1Bによる認識の分子機構は不明である。そこで一連の変異μ1B遺伝子を作成し、これらを安定発現した上皮細胞株を樹立した。これらの細胞にLDLR、TfRおよびコントロールとしてチロシンモチーフを持つ分子を一過性に発現させ、免疫染色法により細胞膜局在を検討中である。 ・μ1B欠損マウス・細胞の樹立・解析μ1B欠損マウス作成のためのES細胞は、μ1Bの片方の対立遺伝子のエキソン4-5の両側にloxP配列を挿入した細胞(マウス樹立後組織特異的Creトランスジェニックマウスとの交配により組織特異的欠損マウスを作成)を確立し、これを用いてμ1BKOマウスを樹立した。 また、μ1Bのエキソン4-5欠失ES細胞を用いて、もう一方の対立遺伝子にも欠失を導入し、μ1B欠損ES細胞を樹立した。ES細胞を浮遊培養すると最外層が上皮細胞に分化したembryoid body (EB)を形成する。μ1B欠損ES細胞のEBは野生型ES細胞のEBに比較して異常に大きくなることから、μ1Bは上皮細胞の形成過程二以上をもたらすことが示唆された。
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