研究課題
分解オルガネラであるリソソームは、細胞内外の物質を消化する主要な場である。分解の対象となる物をリソソームに運び込むために、メンブレントラフィックによる輸送ネットワークが細胞内に張り巡らされている。ネットワークは細胞外から取り込まれた分子が辿るエンドソーム系経路と、細胞自身め構成成分が運ばれるオートファジー経路からなる。本研究は、リソソームを巡る輸送ネットワークの膜ダイナミクスの分子メカニズムと細胞や組織・個体における機能的意義の解明を目指すものである。本年度の成果は以下の通りである。1)EGF受容体は細胞膜からエンドソームに運ばれるまで常にユビキチン化酵素(E2及びE3)と共におり、それらによるポリユビキチン化がリソソームへの選別に必須であることを示した。EGF受容体をユビキチン化するE2の特定に成功し、従来言われていたものとは異なるものであることも明らかにした。2)歯周病菌P.grngivalisが宿主細胞に侵入する際、まずα5β1インテグリンに結合後脂質ラフトにRac1をリクルートしそれによりアクチン重合を促進し細胞内に入り込むことが、菌成分を付着したビーズを用いたアッセイ系により判明した。3)新たに同定した2種の新規Beclin結合タンパク質が、それぞれオートファジーをオートファゴソーム形成の段階で正と負に調節することを見出した。4)オートファジーに必須のリン脂質PI3Pについて、その合成酵素のみならず分解酵素(フォスファターゼ)もオートファジーの制御に重要であることを示した。
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J Virol. Jan.23
Cell Struct. Funct. Feb.6
Cell Struct Funct. Feb.6 Epub
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