研究課題/領域番号 |
15081209
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下村 伊一郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60346145)
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研究分担者 |
槇島 誠 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (70346146)
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キーワード | アディポネクチン / PPARγ / LRH-1 / アディポサイトカイン / 脂肪細胞 / 転写因子 / 転写共役因子 / 肥満 |
研究概要 |
(1)PPARγによるアディポネクチン遺伝子発現制御の研究 アディポネクチンのプロモーター領域に、転写開始点の上流-285〜-273にPPARγの結合領域が存在すること、さらにその近傍(-237〜-229)にオーファン核内受容体のひとつであるLRH1(Liver Receptor Homologue-1)の結合領域が存在し、PPARγとLRH1が協調的に作用してアディポネクチンの転写活性を上げることを見出した。すなわち、PPARγのみならずLRH1はアディポネクチンを増やす治療法の開発を考える上で新たな標的分子となりうることが分かった。 (2)脂肪細胞の分化、肥満に伴う転写因子およびアディポサイトカインの発現変化に関する解析 これまで、約90種類の転写因子・共役因子に関して、3T3L1培養脂肪細胞の分化に伴う遺伝子発現変化、肥満マウスの脂肪組織における発現変化を網羅的に解析した。これにより、脂肪分化に伴い発現増加する因子、低下する因子、変化しない因子に分類でき、さらに肥満で増加する因子、低下する因子、変化しない因子に分類できた。特に興味深い例として、脂肪細胞の分化に重要と考えられているPPARγやSREBP1cなどの転写因子は脂肪分化とともに発現は増加するにもかかわらず、肥満の脂肪組織でむしろその発現は低下し、さらに糖脂質代謝に重要なこれらの標的遺伝子も低下していた。組織中の酸素濃度の変化に対応する転写因子HIF1αなどは脂肪分化前後で発現は変わらないものの肥満の脂肪組織で発現増加していた。さらに、遺伝子発現レベルでは変化しないものの、その標的遺伝子が明らかに変化している因子、すなわち活性レベルでの調節が重要である因子も見出した。これらの因子の発現変化が生活習慣病の病態に密接に関連している可能性があり、今後、プロモーター・レポーターを用いてさらに詳細な転写調節機構の解析を進める。
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