研究課題/領域番号 |
15081209
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小室 竜太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40403183)
|
研究分担者 |
前田 和久 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60397750)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2007
|
キーワード | アディポネクチン / アディポネクチンプロモーター / 酸化ストレス / カタラーゼ / 低酸素 / 小胞体ストレス / RhoA / 一酸化窒素 |
研究概要 |
1.アディポネクチンプロモーターの解析 : アディポネクチンプロモーターの転写開始点の上流約-0.3kbにアディポネクチン遺伝子発現に重要な領域の存在が判明した。糖尿病治療薬スルフォニルウレア剤のグリメピリドがPPARγに直接リガンドとして作用し、アディポネクチン遺伝子発現を転写レベルで増加させることもわかった。またヒトアディポネクチンプロモーターを約-11kbまで同定し、これはaP2プロモーターに比べて脂肪細胞特異性が高いこともわかった。 2.脂肪組織由来酸化ストレス(ROS) : 肥満脂肪組織ではROS産生系酵素遺伝子発現の亢進と除去系酵素遺伝子発現の低下を認め、ROS産生が充進し、ROSはアディポネクチン発現を低下させ、炎症性サイトカイン遺伝子発現を増加させることがわかった。ヒト内臓脂肪蓄積と全身の酸化ストレスの亢進には密接な相関があることもわかった。また抗酸化酵素カタラーゼはプロモーター上にPPARγ応答領域を有し、肥満脂肪組織で重要であることがわかった。 3.脂肪組織低酸素状態 : 肥満脂肪組織は血流低下に伴う低酸素状態にあって、脂肪細胞に小胞体ストレスを惹起し、その結果転写因子CHOP発現が増加してアディポネクチン発現が転写レベルで抑制されることがわかった。 4.脂肪組織RhoGTPase : RhoAとその標的分子ROCKのシグナル伝達経路は脂肪細胞や脂肪組織で重要であることがわかっていたが、ROCK阻害はアディポネクチン遺伝子発現を転写レベルで増加させることがわかった。 5.脂肪組織一酸化窒素(NO) : 肥満マウスの脂肪組織でのNO合成酵素の発現亢進やNOによる修飾蛋白質の増加と、脂肪細胞ではNOはJNKやNFκB経路を介さずにアディポネクチンやPPARγの発現を抑制する、新たなアディポネクチン発現制御因子であることを明らかにした。
|