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2004 年度 実績報告書

脂肪細胞の生理と病理における機能ゲノム研究

研究課題

研究課題/領域番号 15081210
研究機関神戸大学

研究代表者

小川 渉  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40294219)

キーワード脂肪細胞 / MKP-1 / MAPキナーゼ / 脂肪細胞分化
研究概要

脂肪組織において肥満の誘導時に特徴的に発現が変化する遺伝子を同定するためDNAマイクロアレイによる解析を行い、その結果、脂肪組織に高発現し、肥満によってその発現が増強するケモカイン遺伝子及びユビキチンリガーゼ遺伝子を同定した。現在、肥満の病態におけるこれらの遺伝子の関与を解析中である。ユビキチンリガーゼ遺伝子に関しては培養脂肪細胞における野生型や機能欠損型変異体の過剰発現実験とともに、yeast two hybrid法を用いて、その標的蛋白の同定を試みている。また、遺伝子欠損マウスの作成も合わせて行っている。ケモカインに関しては、ヒト試料を用いた解析を行っており、その血中濃度と肥満の病態との相関を見出した。
また、DNAマイクロアレイ解析により、脂肪細胞の分化の過程でMAPキナーゼを特異的に脱リン酸化する酵素であるMKP-1の発現が誘導されることを見出した。前駆脂肪細胞から成熟脂肪脂肪の分化過程では、細胞増殖期にはMAPキナーゼ活性が高く、増殖を停止し終末分化へ移行する時期にはMAPキナーゼ活性が低下する。MKP-1の強制発現実験、アンチセンスRNAを用いた発現抑制実験などから、脂肪細胞分化過程でのMAPキナーゼ活性の変化はMKP-1の発現によって直接制御されることを明らかとした。また、MKP-1の発現誘導が抑制された前駆脂肪細胞は成熟脂肪細胞への分化がほぼ完全に抑制され、この作用は転写調節因子PPARgの活性の制御によることを明らかとした。これらの結果は、脂肪細胞の分化の過程で、MKP-1が増殖から分化への切り替えスイッチとして働くことを示唆するものであり、肥満における脂肪組織の増大の機構の理解にも寄与するものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Role of MAPK phosphatase-1 (MKP-1) in adipocyte differentiation.2004

    • 著者名/発表者名
      Sakaue H et al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem 279

      ページ: 39951-39957

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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