研究課題/領域番号 |
15082207
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
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研究分担者 |
井上 雅司 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30339098)
森田 光洋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50297602)
工藤 佳久 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20080179)
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キーワード | アストロサイト / シナプス応答 / Ca振動 / 代謝型グルタミン酸受容体 / オクトパミン受容体 / トランスジェニック動物 / DNAマイクロアレイ / IP3イメージング |
研究概要 |
1)シナプス入力によってアストロサイトに誘起される電流・電位・Ca応答について。 海馬スライス標本内のアストロサイトよりホールセル記録法・高速電位イメージング法、Caイメージング法を用いて電流・電位・Ca応答を記録・解析した。その結果、反復シナプス刺激によってアストロサイトに代謝型グルタミン酸受容体の活性化を介して内向きの電流が誘起されることを発見した。この応答の発現が細胞内Ca上昇を必要としないものであることを確認した。この電流をもたらす分子実体の解明を続行中である。 2)アストロサイトにおけるCa振動現象の成因の解析について。 a)培養アストロサイトを用いたCa振動発生メカニズムの検討、b)IP3イメージング法の確立、c)DNAマイクロアレイを用いたCa上昇パターンに伴って変化する遺伝子の検索、d)昆虫受容体を用いたアストロサイトCaのモデル動物作成、を実施した。その結果、培養アストロサイトが自己分泌性EGF様因子によって自身のCa上昇パターンを持続性から振動性に変化させることを見出した。現在、IP3イメージングとRNAiによる遺伝子破壊を培養アストロサイトで行う系を確立し、DNAマイクロアレイによって明らかになった、Ca振動関連遺伝子が果たしている役割についての検討を進めている。また、ショウジョウバエ由来のGq共役型受容体であるオクトパミン受容体をアストロサイト特異的に発現させるベクターを構築し、培養系においてその特異性、細胞内Caに与える影響を検討し、現在トランスジェニックマウス及びラットの作成を進めている。 3)アストロサイトにおけるCa上昇が神経細胞の活動に及ぼす影響の検討について。 単一アストロサイトからのホールセル記録・高速Caイメージング及び神経細胞からのホールセル記録を同時に行う実験システムを構築した。アストロサイトに確実にCa上昇を誘起する方法を検討中である。
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