研究課題/領域番号 |
15082210
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
重本 隆一 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (20221294)
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研究分担者 |
深澤 有吾 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助手 (60343745)
時田 美和子 (馬杉 美和子) 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 日本学術振興会・特別研究員(PD)
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キーワード | グリア / ニューロン / CAST / GLAST / NG-2 / AMPA / グルタミン酸受容体 / レプリカ免疫電顕 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、まずグリア-ニューロン相互認識に関わっている機能分子の電子顕微鏡的局在を明らかにし、それらの神経活動依存的な動態と伝達物質放出調節やシナプス可塑性との関係を明らかにすることである。ニューロンからグリアへはグルタミン酸を介したシグナル伝達が、グリアからニューロンへはATPを介したシグナル伝達がよく知られている。そこでまず、各種グルタミン酸受容体やグルタミン酸トランスポーターとATP受容体の局在を小脳と海馬を用いて検討した。金標識を用いたレプリカ免疫電顕法は、解像度や定量性に優れた方法ではあるがグリアの細胞膜や神経終末の伝達物質放出部位の形態学的特徴はレプリカ上で必ずしも明確ではなく、まずこれらの細胞膜ドメインを同定するためのマーカー分子のスクリーニングを行った。その結果、astrocyte細胞膜のGLASTやGLT、oligodendroglial progenitorのNG-2、神経終末のVAMP、伝達物質放出部位(active zone)のCAST(CAZ-associated structural protein)などが有用であることが分かった。また興奮性神経終末と抑制性神経終末の細胞膜はvesicular glutamate transporter(VGLUT1,VGLUT2)とvesicular GABA transporter(VGAT)でそれぞれ同定できることが分かった。これらの結果に基づき、まずはグルタミン酸受容体のうちAMPA型受容体の密度をシナプスとastrocyte細胞膜で比較した。astrocyte細胞膜はP-face上のGLASTの標識で同定し、同じ細胞膜のE-faceを観察したところ、平方ミクロンあたり数十個の金粒子が認められ、今後はグリア細胞膜ドメインの違いによる、密度を詳細に解析していく予定である。
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